【人】 一匹狼 “楓”[彼の懐には鍵があった。 おそらくはこの山中にいくつか建ち並ぶコテージのものであろう、と彼は推測していたが…… どこでどうやって手に入れたか、彼の記憶は不明瞭であった。 ともあれ、彼には休みたいという感覚があった。 旅の疲れ? それとも別の何か? その理由さえ不確かなのだが……。 彼は立ち上がり、湖のほとりを歩き出す。 鍵に対応するコテージへとまっすぐに向かうだろう、よほど目を引くものが無ければ。 ──例えば、他の人影と違ってはっきり視認できる誰かの姿、だとか]** (31) 2023/02/28(Tue) 23:30:36 |