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人狼物語 三日月国

162 【身内】奇矯の森【R18G】


【人】 命灯癒光 リーディエ


座り込んで俯けば、視界が真っ赤に染まる。
こんなに殴られても、生きてるのね。

あぁ、私……やっぱり、化け物なんだわ。
でも良かった。だからこそ、こうして。


「………わたし、たち……は、…たよりない、ですか………。
あなた、たち……が……、かかえる、もの………せおえない、ほど…」
「よわい、…………です、か?……どうし、て……………。
みんな、はなし………してくれな、……の」
誰かを疑うのではなく、もっとちゃんと話を出来たら。

こんな結末には、ならなかった。私はそう思っているわ。
こんな私でもね。皆がいるから、生きていけたんだもの。


「…それなら、………わたし、は…。ひとり、で……いい、です。
いたく、ても……つらくて、も………きらわれ、ても…………」
「……………かぞく、じゃ……………なくて、いい………ッ」
背中のナイフに手を回し、小さな呻きを零しながらそれを引き抜いた。

致死量にも満ちそうな程の血溜まりがあるのに、リディはまだ生きている。
どうせ死ぬのなら、こちらの方がより早く。


「ごほっ、……………」
込み上げてくる何かを手で押さえてみるが、全てが
真っ赤
で息をすることも苦しい。

でも今は、そんなことはどうだっていいの。
もういいの。

砂で汚れた服は清潔ではないと理解しているけれど、構ってられない。

額の血を拭いとって、
それでも直ぐに真っ赤に染まるけど。

突き飛ばしたノルに向かって、最後の力で飛び込むように──抱きしめた。
(33) 2022/07/27(Wed) 3:17:38