>>29 沙華
>>31 リェン
「勝手に根無しにしなさんなや。島に店あるやろ。」
心外やなと切り返しつつ。
確かにブレスレットをした残りの面々は、
顔馴染みのモノばかりだった。
と、意識の外から声をかけられ、リェンの方を向く。
咄嗟の動きは少々鈍い。
「…おお、リェンはん。モクレンはんやあらへんのやから、
急に出て来られるとちとびっくりしたわ。
…薬は欲しいけど鼻薬はいらんわ。」
リェンが出かけて戻って来ても
変わらずに言葉で殴り合っている。
「出かけ…あぁ、そうやったな。」
そういえば確かに行く所は一つ聞いていた。