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人狼物語 三日月国

129 【身内】狂花監獄BarreNwort2【R18G】


【人】 『巫覡』 ロベリア

銃弾は手負いの獣アルレシャを貫いた。
けれどもあれではまだ動きを止める枷にはなり得ない。
他の演者達がつけた傷を負って尚これなのだから。


すぐ様逃げようとして、肩と腕に走る痛みに顔を歪める。
模擬戦後、治療室に向かう事無く疲れを癒す為に眠りについたから、傷はまだ癒えていなかった。


その一瞬が迫る狼に接近を許す事になるのだが……。

――…頭上に影が出来、狼が選んだ獲物が自分だと理解する。
逃れる事は難しいなと、手に持っていた銃の安全装置をかけ床を滑らせるように投げ捨てた。
誤射は、困るし。


だから腕で庇うことも出来ず、身を守る術は本当に何も無い。
無意識に視線を に向けそうになったから、目を閉じた。
……視線で気付かれるのも、何だしね。


スコップは特に障害も無く叩き付けることが叶うはずだ。

脳が揺れ、目の前がチカチカと瞬く。声を上げた気もするし、頭を伝う何かの感覚があったけれど、思考が上手く定まらずにいた。
体はゆっくりと傾いて床に倒れ伏すのだろう。その後は指先が幾度か跳ね、暫くすればぐったりと横たわるのみ。

生きているのか死んでいるのか、直ぐに確認するのは今の状況では難しいのではないだろうか。
目の前にはまだ、今宵の主役アルレシャが存在しているだろうから。
(36) 2022/03/07(Mon) 1:34:17