【人】 狐娘 レイ[粛々と列は川を上っていく。 一歩一歩、村から離れていく寂しさを味わいながら、新天地へと向かう。 婚儀の参列には、シオンの姿もあった。>>28 慎ましやかな白が目に映える。 幼い頃はよく遊んでもらったけれど、彼女が一族の外の男と一度村を出た後、戻ってきてからは会話を交わすことも少なくなってしまった。 彼女が村に戻ってきた時には、純粋に再会を喜んだものだけれど、彼女にとっては別れを思わせるそれは、返って彼女を傷つけてしまったのかもしれない。 話しかければ応えてくれるものの、どこか以前とは違って距離を置かれたような間柄は、少し悲しい。 婚儀の話を機に、話しかけることが出来ればいいのだけれど。 ふと視線を向ければ、一瞬目が合ったような気がした。] (36) 2021/12/02(Thu) 15:13:23 |