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人狼物語 三日月国

162 【身内】奇矯の森【R18G】


【人】 命灯癒光 リーディエ


抱き止められて、先程と同じように背に腕を回そうとしたけれど上手くいかなかった。
もうあまり、体が動かない。
全身が痛み、感覚も失っていく。


「はぁ、……はぁ………。………いわなきゃ、……つたわら、ない……です…………」

そうは思っていないことも、今ようやくリディは知ることが出来た。

「…あなたたち、が……そう、でも……。わたし、なら………、」

異なる考えを抱くかもしれない。知らなきゃそれも分からない。

「いや、です……いやです、よ………。みんなが、…なかよくないの、は……」

ずっと見てきた。皆が遊ぶ様子も、皆で眠る様子も。
触れられないからこそ、見ているだけだったけど。

「……だって、あなたたち……は、…ふれあえる、のに………。
あたりまえに、わらって……手を、つないで…………いきていける、のに……」

辛いことがあっても、皆でいればきっと生きていけた。

それしか方法がないと決めつけて、死んだ先が一緒だなんて。
そんなの、私は嬉しくない。短い命だからこそ、ずっと見ていたかった。
自分が死ぬその時まで、生きていく貴方達を。


「…『おとうさま』が、しんだ理由……いまもなぜか、わからない……。
でも、私きっと……あのひと…が……いなく、ても……よかったん、だわ…」

悲しかったけれど、何も無しにあんなことが起こるわけが無いかもって。
だからもしかしたら、原因があるのかもって……きっと、そちらを疑っていたの。


ぐったりと、ノルに体を預けて──目を閉じた。
か細い呼吸の音と、呼吸で上下する体は……ゆっくりと弱々しいものに変わりつつある。
(37) 2022/07/27(Wed) 20:31:29