【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>30 ソニー 「むしろ休業中に仕事の話をしてるだけ あたいは十二分に丁寧な対応をしてるんだけど?」 苛烈。街における評判そのまま、これは全く容赦がない。 コーヒーをもう一度口に、肩を竦めて立ち上がる。 「言ったろ、休業中だって。 仕事でなら脂ぎったオッサンだろうが 棺桶に両足突っ込んだジジイだろうが 顔合わせる度誘ってくる野郎だろうが クソレズだろうがサイコだろうが付き合ってやるが、 そうじゃないなら付き合う理由がない。 あたいを誘いたきゃ、濁してないで本題から言うんだね。 最低限、それが人の時間を貰う礼儀ってモンだ。 ……うわ、5分半経ってるし」 迷彩カーゴパンツのポケットから取り出した 無骨な腕時計を見て顔を顰める。 扱うモノと同じくらい冷たく硬い女。 「そうだね、あと20秒だけ話を聞いてやろう。 19、18……」 残された猶予はそれだけ、それが終われば女は消える。 追跡も出来ない程、巧妙に。 時計しか見ていない相手に何を言うのも自由だ。 (37) 2022/08/19(Fri) 14:35:56 |