>>【一日目・防空壕】
>>17「いいじゃないですか。つまり拙と梢は現実派だったということです。幼い頃から現実を見つめられると考えれば実にくーるですよ」
悪びれもなくそう答えた。誇ってはいないが、恥じてもいない。己の選択を堂々と正しいものだと思っているようだ。
「はい梢、今行きますよ。
……何か踏みましたね?枯れ枝……にしては何とも言えない軽い音がしたような……」
続いて降りて行き、言われるや否やすぐさま懐中電灯を持ったままずいずいと貴方に近付いた。
無遠慮に、二人の周囲の輪郭が暴かれていく……。