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人狼物語 三日月国

167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】


【人】 piacere ラウラ

【どこかのバー】 >>43 ツィオ様

グラスを置き、貴方に視線を向ける。
無理をしているように感じるのは、気のせいか。

変わらない表情の中でも多くを見てきた。知るために、多くを映してきた。
確信出来るほど深い仲ではないけれど、何も見えないほど愚かではない。

貴方の言葉にゆったりと頷いて、増えていく叶わない約束をいくつも思い浮かべた。
たのしみ
にしていることほど、どうにも上手くいかないものだ。

胸がまた痛んで、無意識に小さく吐息を零す。

「…………ラウラは、…今であれば 手を取ることを選んでしまうと、そう思うのです。
望んでくださるからではなく、…ラウラが心から、望んでしまう気がします……から」

"知ってしまったから求めるようになった"。
あの人の言葉を今になって理解し、欲を得た己をどう思うのかと思案する。

随分と早くに知ったね、と笑うのか。それとも驚くのか。
それ以外か……問いかけることは叶わないから、答えは分からないまま。

幸せな何かを得ることは難しいとしても、この言葉は呪いではない。
泣けるようになったのはきっと、これがきっかけなのだから。

──ラウラは、貴方を真っ直ぐに見つめている。
(46) sinorit 2022/08/20(Sat) 1:39:38