>>37 ファリエ
「別におしゃれしてるわけじゃないんだが…………」
見ず知らずの人間たちから祝われるのも面倒くさくて隠しているだけの話。
うなじなら何もしなくとも隠れていただろうからそこは少し残念だが、額や頬などといった隠しようもない場所でなかっただけ幸運だったと言えよう。
はぁ、と息をついて頭をかく。
どうやら、目の前の知人は緊張しているらしい。
「……落ち着かないならなんか食いに行くか?」
とはいえ、この場のメンバーとの話が続く限りは共にこの場に残るだろう。
それくらいの気遣いは出来る男ではあった。