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人狼物語 三日月国

96 【第38回TRPG村】Purgatorium-煉獄-


【人】 導きの天使 サーリフ

「天使というのは全員そうなのか?」
「そう、と仰いますと?」
「導く対象にしつこく執着し、身勝手な慕情を押し付けてくる」
「いえいえ……そんな……」

サーリフは少し考えてから、言葉を繋いだ。

「私たちは特別……というより、皆さんが特別なんですよ。
 天使は普通、神の目を借りて対象の人生を見通し、
 正しく導き、次の仕事に移ります。
 しかし、皆さんは……
 ええ、私たちにとってあまりに愛しい」

何故そうなのか、を伝える気は、今のサーリフにはなさそうだった。
シャフリヤールも問いただす気はない。

ただ、重ねられた"愛"という言葉にいらりとした。

――それは、シャフリヤールにとって、最も信じるに値しない言葉だ。
価値がない。実在しない。唾棄すべき……


そこまで考えて、シャフリヤールは軽く首を振って、頭の中に広がりかけた煙霧を振り払った。
こんな天使に調子を乱されてやる義理はないのだ。


歩き続けるシャフリヤールの後を、サーリフがどこまでもついて行く。

[感情:執着(-)]
[こちらからは〆]
(47) TSO 2021/09/18(Sat) 12:13:22