【人】 薬屋 テレベルム ……ラヴァ。 [伏せかけていた瞳を緩慢に開いて、黒衣の女を視界に収め、 情けなさと気を病ませはしないかと危ぶむ感情から 苦痛よりも心が痛く、きゅっと眉を寄せたが いっそ彼女の方が悲愴なかんばせで>>56 大丈夫だと言いたげに細い肩を軽く慰撫する。] ―― あぁ、待て。膝が汚れてしまうぞ。 あんたの家みたいに、床が綺麗ではないから。 [魔術の行使で整頓された家>>1:17とは異なり、 膝を床に臥して介抱の手を翳す彼女に忠告はするも 流れる血の力のみで自然に治るのを待つよりは、 不得意でも彼女の力を借りる方が早かろうから、 跳ね除けるような真似事はせず、苦く微笑むのみ。 猫たちは心配そうに鳴いていたものの、 兎の血を引く彼女を引っ掻こうと躍起になる訳でもなく 邪魔にならない距離感に霧散して、様子を遠巻きに窺う。] (60) 2021/12/12(Sun) 12:20:44 |