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人狼物語 三日月国

57 在りし日の記憶、邂逅に微睡み


【人】 三橋 夕凪   


[男の人の声なのはわかったので、
 返事をすることに一瞬躊躇したのだけれど。

 それは良く通る、低い声。
 なんとはなしに耳に心地良い、
 透明な、穏やかさ。]


   ─── はい、あの、私ここにいます。
   この部屋には、私以外誰も居ません。


[思い切ってそう告げて、ぎゅ、と奥歯を噛み締めて。
 その声のする方を見やった。]


   そちらに、出てもいいですか?
   貴方は、誰ですか?
   ここはどこ?


[問いかけながら、ゆっくりと、歩き出そうと。
 小刻みに震える足には、気づかないふりをした。]*

 
(72) 2021/02/02(Tue) 21:50:52