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人狼物語 三日月国

167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】


【人】 piacere ラウラ

【路地裏】 >>67 リカルド様

貴方の言うことは最もだ。この場に留まったところで何かメリットがある訳でもない。
それを理解していても、今の今まで動けずにいたのは確かだが。

差された手に一度視線を落とし、僅かな間をおいて頷く。
一人であればそのまま放置していたものとはいえ、やはりこれについても貴方の言うことが正しいだろう。

「……そうした、つもりは。…気を付け、ます」

女の中では普通なものだから、そのようなことを告げられるとは思わず。
けれど数日前のツィオ様の言葉を思い出して、 そうした面も含めての言葉だったのだろうかと思案する。

その答えを出せるかどうかはともかくとして、地面に縫い付けられたように動けずにいたその足は、背を向ける貴方を追いかけて動き出す。
決して気持ちが晴れる訳では無いだろう。それでも行動しないことよりも己のためになる。
そんな気がした。


「……、…着いて、行きます。ラウラもきっと、後悔します から。
………………リカルド様、…ありがとう、ございます」

喧騒が近づく。表通りは今日も楽しげで、変わらない日々だ。
賑わう人々を眩しいものでも見るかのように目を細め見て、そっとポッケの中に煙草をしまう。

貴方から紫煙の香りは漂わないけれど、やはり幼馴染と言うべきか。
追いかけるその背が上司の姿と重なって、ほんの一瞬だけ立ち止まり、路地裏を見つめてからまた歩き出すだろう。

貴方リカルド様の背を追って、あの人マウロ様の部屋へと。
(73) 2022/08/17(Wed) 13:48:12