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人狼物語 三日月国

202 【ペアRP】踊る星影、夢現【R18/R18G】


【人】 片連理 “椿”

[自ら握手を求めておきながら、触れた手が己の知るものでないことに少し驚いた。
 一瞬だけ、目を丸くして彼の手を見つめ、しかしその温かさに安堵を覚えて、両の掌で慈しむがごとくに包みこみ、琥珀の色をした目を見上げた。こんなに穏やかな光を湛えたひとであったか、記憶は定かではない。目の前にいる、かつてと同じ気配のする彼がそうであるのなら、過ぎしあの日もそうであったのだろう、と空白はそのままにして今を受け入れる。]


  ——あれから。


[その言葉には、ゆるく首を傾げた。
 さて、これまでどうしていたのだか。別の誰かに、逢いに行ったような気がする。それももう、遠い日のことのように全てが色褪せて、靄がかっていた。]


  ええ、ええ。息災にしておりました。


[問われれば何か思い出すのかもしれないが、今はそれだけを口にする。
 そうして、なぜ自分はここにいるのか、という、頭の中にぼんやりと反響する疑問とその答えをもう一度繰り返す。]


  逢いたかったのです、貴方に。
(84) 2023/03/01(Wed) 10:08:44