【人】 暗殺屋 レヴィア>>89 コルヴォ 周囲の人間が同業者かそうでないかは、匂いで分かる。 この界隈で長く生きたものほど染みついている。 血と、腐臭と、硝煙と、様々なものが混ざった、死の匂い。 「Siesta中かしら。掃除屋さん。」 だから一瞥もせずとも存在には気づいていて、 声を掛けられても動じることもなく。 女は今日も季節にそぐわず冷ややかだった。 「猫の意匠があったものだから。」 「少し目に留まっただけよ。」 「烏は猫がお嫌いかしら。」 話の最中も微動だにしない視線の先には、球で遊ぶ猫のネックレス。 どことなく、かのボスが飼っていた猫に似ていた。 (90) arenda 2022/08/11(Thu) 17:30:37 |