【人】 二年生 鳳 凛貧困から抜け出せるのにも関わらず、成功目前で友人を助けることを選んだ男性からは、多くのひとが離れて行っていた。 あいつは馬鹿だ、と非難され攻撃され、自身の人生を諦めかけた彼の前に彼女は姿を現した。 貧乏神が、取り憑いた人間を成功に導くような助言をすることは禁忌。 なぜなら、その人間が成功してしまうと、存在が消滅してしまうからだ。 けれど、女性は姿を現してからというもの助言や彼を励ます言葉をかけることを止めなかった。 日に日に弱っていっている女性を疑問に思いながらも、男性は助言に従い、努力し成功を手にしていく。 布団から出られない程衰弱した貧乏神に、事実を知った男性は、成功は手放しても構わないから、なんとか助けて欲しいと天界に祈り続けたという。 来る日も来る日も、貧乏神の女性が消え行くその瞬間まで。 (110) 2021/07/25(Sun) 18:03:50 |