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人狼物語 三日月国

224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】


【人】 アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡

>>110

がたがたと歪んだフレームの隙間から、さんざめく潮騒が聞こえてくる。
フロントガラスから回り込むように、
海面が反射する橙の光が覆っていく。
ぐるりとハンドルを回して、半開きのゲートをくぐる。
するすると滑り落ちるように向かう先は、港湾施設に併設された倉庫群だ。

「俺の部下にも引き継ぎなんて必要ねぇけど!?
 俺のやってた仕事なんざ、あることをあるようにしただけだ。
 もっとうまくやるまであるね」

張り合っているのかなんなのか、それとも誇らしく主張しているのだろうか。
確かなものなど何一つなく、空々しくすらあるがなり声が車内に響く。
葉巻の先端を視界の端にだけとらえながら、

「セルフサービスだ。
 お前の人生に俺からくれてやるものなんて一つもねえ」

アクセルをがん、と蹴りつけるように踏む音。
速度を増した車は、舗装された斜面を跳ねるように降りて、
ある倉庫の陰へと向かう。
──そこは、カポ・レジーム"黒眼鏡"が管理する倉庫群。
治安組織もファミリーの監視も、少なくとも普段はほとんど及ばない
この街の空白地帯。

#BlackAndWhiteMovie
(111) 2023/10/01(Sun) 1:38:23