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人狼物語 三日月国

77 【ペアRP】花嫁サクリファイス 弐【R18/R18G】


【人】 書生 茅

[その馬鹿>>88がここに居るとは、まさかまさか山神さまでも知らぬことだったろう。
安心して欲しい。
青年本人には馬鹿の自覚が微塵もない。
……いや安心できる要素どこにもないな。


日暮れから暫く、風を叩く翼の音>>87に、ふと俯いていた顔を上げる。
乙女らしく淑やかに座ることなど思いつきもしない青年は、枷の嵌め込まれた左足首を抱えるようにして、半ばあぐらをかいていた。
せっかくの白無垢にも皺が寄って台無しもいいところである。
ただ、時間が経つにつれずきずきと痛む、枷のはまった足首が気掛かりだった。
撫でたところでまるで意味はないのだが。

上げた視線の先で、何かの気配が蠢く。
ギリギリまで正体を隠して相手を引きつける…などと知恵を回したわけでもないが、幸い薄暗がりの中、角隠しに隠れた顔は見えづらかったらしく。
また恐怖でこそないがその気配に息を呑めば声の一つも溢れることはなく。

近づいた気配が灯した灯りに、刹那、目が眩む。
けれど、その持ち主の輪郭が、僅かに脳裏に焼きついた。]
(133) 2021/06/16(Wed) 18:13:31