【人】 四谷 隆史 ひと。人、っ。 ……よか、よかった……。 [生きてる人間。それだけでどっと安堵が全身を支配する。罪を暴く声。チハヤの消失。 自分は自分が思うよりずっと、この怪奇現象に追い詰められかけていたようである。 人は簡単には消えないというが、 実際目の前で消えてしまったのを目撃したのだから、 恐怖ありあまりである。 それは、未だ怪奇現象に出会わぬ眼前の男との温度差にも繋がっているのだろう。 ……この廃病院に“何を求めてやってきたか” と、いう根本的な理由の違いの要因もあるかも、しれないが] (144) 2022/08/10(Wed) 19:31:15 |