【人】 かれがれ ユメカワ【空き教室】 >>146 タイムカプセル開封の儀 かぽん。 いかにも缶を開けましたよ、という感じの軽い音がして。 開けてからのお楽しみ、の正体を明らかにすべく、 机の方へ歩いて行って、広げられた中身を覗き込んだ。 「、……? なんか、タイムカプセルっていうか……」 包まれた布の中身。 何でも、思い入れのあるものを入れる、というのはよくある事で。 とはいえそれにしては少々内容物が偏っているような。 「取られないように隠したって感じ?」 なんとなく。思った事をそのまま口に出しつつ、 机の上のビー玉を指先でつついた。ころん。 それから、ふとそれらが包まれていた布に視線を遣って。 「……あ。 何か書いてあるけど……名前っぽい?これ。 ねえ稔、この布借りていっていい?」 学校という場所。 埋められたものと、添えられた名前らしきもの。ふと過ったのは、 結局見ずに戻って来てしまった図書室の貸出記録。 他にも、何処かで同じ名前が見付かるかもしれない、と思って。 (147) 2022/07/06(Wed) 16:26:38 |