【人】 花屋の主 メルーシュ>>135 いらっしゃいませ [誰かが訪ねてきた気配に気付いて、メルーシュは店先からは死角となった場所から顔をのぞかせた。 そこに佇んでいたのはひとりの男性。 この国ではあまり見かけない帽子と装い、そして手にしている楽器ケースは、大きさからヴァイオリンかもしれないと思った。 (コンセールカリヨンに住む住人であるメルーシュは、もちろん音楽を愛していたが、残念ながら楽器にはあまり詳しくない。)] 「この素晴らしい日にオススメの花を もらえないかな?」>>135 「はい、では少しだけお待ちいただいても?」 [初めてのお客様から頂いた難しくも素敵なオーダーに、もしかしたらメルーシュの動きは、いささかぎこちなかったかもしれない。 メルーシュはその方に、店の片隅にあるソファで待たれることを勧めると(もちろんその方が座られても、座られなくても気にとめることない)、ふんっとばかりに花たちに向き合い、このお客様のオーダーにかなうのはなにかと、花たちと相談を始めるのであった。]* (158) 2020/09/25(Fri) 21:56:34 |