【人】 ローグ ギュルセル[そうしながらテンガン自身に舌を這わせ歯を立て続けて、彼が達しかけたとき。 先端に滲んだ先走りの味に、男は違和感を覚えた。 ──甘い……? こんな味がするものだったろうかと、戸惑いのあまりに男は舌の動きを止めた。 ただ口に収めているだけの状態になった数瞬は、まるで焦らしているかのような間かもしれない。 僅かな間の後に男の頭には興味が湧いた。 その後の白濁はどんな味に感じるのだろう、と。 そうして射精を促すように裏筋を舌で根元から先端まで舐め上げると、カリ首に唇で吸い付いて先端に舌を沿わせ、白濁を舌で受け止めようとした。 その間、男の表情はずっと鬣に隠れていただろう。 男が感じる味覚の変化は人でなくなりつつある証だと、男が自覚するのはほんの少し先になる]** (168) 2021/05/06(Thu) 19:05:29 |