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人狼物語 三日月国

203 三月うさぎの不思議なテーブル


【人】 役者 セロ

 「しゃしんしゅう……」
 「いますぐにってわけじゃない。まだ学生だからね。ただ、君の容姿だったら今後そういう仕事をやっていくのもいいと思うんだよね」
 「いやです。絶対いやですやりません!!!」

 引き留める声を無視して逃げるように事務所を飛び出す。
 
 本当は舞台だって嫌だった。でも、「演技の幅が広がる」といわれればやるしかないだろう。
 この見た目がコンプレックスであることは知っているはずなのに。
 
 写真集なんて……そんな恐ろしいこと……!!

 走って、走って、息が切れて立ち止まる。
 呼吸を整えるために深呼吸すると、いい匂いがしてくることに気が付く。顔をあげた先、道の向こうに『Madam March Hare』はあった。
 
(178) 2023/03/01(Wed) 23:18:06