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人狼物語 三日月国

68 【身内】空想模倣機体は駒鳥達の夢を見るか?【R18G】


【人】 兎系 ニア

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 ――それから、唇を離し、金の瞳を真っ直ぐ見つめて。
 目を細める。逸らしはしない。

 青年は守ってやりたいと言ってくれたけれど。
 大人しく守られてばかりの、
 か弱いお姫様になるつもりはない。

 だって、この寂しがりの青年一人分の――
 いいえ、“技術指揮シトゥラ”と、
 その中にいるかもしれない、あんたのこと。
 二人分の重さを支えなければならないから。

 だから少女はその足で立って、青年に真っ直ぐ微笑みかける。
 逃げはしない。――逃がしも、しない。
 その瞳から餓えの色はすっかり薄らいで、
 しかしそれでもやっぱり、すこしばかりは残っている。

 ……このどうしようもない寂しがりにとっての
 『すこしばかり』が、
 万人にとってもそうであるとは限らないけれど。
 
ロール

 役割に浸されきったあの頃より、
 正気の色であることは確かだ。

 瞳の中、微かにたたえられる餓えが、
 青年の手を食んだ行為が、包む両手の温もりが。
 拙い言葉の隙間を、埋めてくれればいい。 (→)
(205) 2021/05/01(Sat) 15:55:21