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人狼物語 三日月国

148 霧の夜、惑え酒場のタランテラ


【人】 ユスターシュ

 ― 8年前 ―

[ユスターシュという男が変わった転機はこの時だった。
 年もとってきて、引退後の人生も考えつつ生きる方がいいようになってきた年。

 男はそんなの気にせずその日暮らしと酒の日々。
 だらしない。そう言われても仕方なかった。

 彼にとってその女は
 運命を狂わせるほうの“イイ女”だった。]


 「この子、貴方の子どもなの」



[ベロベロに酔っぱらっている時に唐突に隣に座られて、そんな事を言われた。
 かつて依頼の一つで組んだことのある美人の剣士。
 成り行きでそういう事をした覚えはばっちりあった。


 だがしかし。
 小さな少女を酔っ払いにそう言って
 だから宜しくね、と押し付けていく奴が
 どこにいるってんだ。

 
(237) もやむ 2022/05/21(Sat) 19:51:37