【人】 御曹司 ジャヤートしかし、しかしそうか。 未だ見ぬオレが君の心を苛み怖がらせていたか。 心労をかけてすまなかった。 [手の甲に唇で触れる。 柔らかな肌に痕が残らぬよう優しく口づけを施し顔をあげる。 涼風のような笑みを向け] リル族のジャヤート。 確かにヴィス族のマンユゥを妻とするに相違ない。 大変不安にさせてしまっていたようだが。 オレは今生の余を、君と共に出来ることを嬉しく思う。 [人前であろうと構うことはなく。 口づけた手を引き身体を寄せ抱きしめた。 嫁となるマンユゥの香りと温もりが腕の内に広がる。 その甘い香りに頬が緩んだ。**] (237) 2021/12/04(Sat) 12:15:48 |