――慈雨
>>216――
そろそろっていうか、そうだねぇ。
迎えに来たよ。
[遅刻かも、とは言わずにおいた。
実際遅れてはいないだろう。まだやや早いくらい。
けれど『小満』の向かう時刻にしては、遅いほうだ。
いつも処暑と同じか、次くらいにつく。
中央側の出迎えを受けた灯守りを、会場で歓迎するのが趣味のひとつのようなものだった。
まあ、そのくせ気まぐれに会合自体行かなかったようなこともあるし(蚕が
『お加減でも悪いのですか』
なんて過剰に心配していた)、今回もそんなふうに思われているかもしれない。]