【人】 裁判官 リーベルト[人間そう簡単には変われない。 悩んで悩んで判決を下した被告だって、平気で再犯を起こしてまた裁判所に来たりするのだ。 初めてお宅訪問した時から物は多かった。 昨今に限らず、彼の部屋はいつ見ても散らかっていた。 旅行や引っ越しの準備時間を加味しても、そも常日頃から丁寧に暮らしていれば、ここまで酷くはならないと思う。 「よくこんな埃にまみれていられますね……」 悪態を吐きながら、最初はただ己の座る場所を確保する為だけに部屋の片付けを手伝った。 それが元来の潔癖症から放っておけなくなり、やるからには徹底したいから大掃除となり、定期的に今日まで続いてきたのだ。 ――今、思えば。 まだ現一軒家ではなく、マンションに住んでいた頃。 あの頃のヴィクの家は、ここまで荒れてはいなかった。 ファンから貰ったという品を嬉しそうに見せてくれた。>>408 初めて玩具を買ってもらった子どものように、無邪気にはしゃいでいた>>409のが印象的だった。 『 ——へぇ。それは凄い。 応援している役者にそんなに喜んで貰えたら、 ファンも贈り物のし甲斐があるでしょうね。 君の芝居が世間に認められて僕も誇らしいです。 期待に応えないと、ですね。 』 何気なく無責任に激励の言葉を贈った。 後々それが彼にどういった影響を及ぼすかなど、考えもしなかった。] (439) 2019/04/10(Wed) 13:09:42 |