ランダム機能


ユーザ登録




12:46:01

人狼物語 三日月国

246 幾星霜のメモワール


【秘】 遊蕩 ディルク → 寡黙 エミール

>>-29 エミール

「……そっか、」

結局、答えに迷うのは自分のみかもしれない。
決意の色が見えたから、眩しくてつい目を逸らした。

「…うん、いいと思うよ」
「少なくとも僕は、その決断を否定しない」

貴方が少し、羨ましく思えるくらいだ。
手を伸ばしたいと思えるほどの誰かが、傍にいる。
それはきっと生きていく中で素敵なこと。

己が、得ようとはしなかったもの。

「…同じ境遇の人間の話が聞けて良かったよ。
 それじゃ僕は、時間めいっぱい悩むとするかな」

そういって、貴方の隣から身を翻し、
いつかのように街の喧騒から離れていこうとする。

この別れが一時となるか、永遠となるか。
それを知るのは未来の話となるだろう。
(-30) 2024/02/18(Sun) 21:52:19