【秘】 人形師 ラサルハグ → 壊れた時報 キュー 当方に意識を強く向けられれば、当方のみに声が届きます いつか耳にした言葉に倣い、ラサルハグは強く念じた。 「あなたが『我々』か」 音にならない声。魔術の詠唱に似る。接続する。 その途端、口は勝手に回り出した。 「俺は あなた方の都合の良い手足。 いつ切り捨てていいトカゲの尾。 そうあるべきと定められた者。 あなた方の呼び名に倣うなら『フール』と呼んでくれ」 ラサルハグもなにを言っているのかわからない。しかし間違ったことは言っていない。上位存在に正しい情報を伝えている。だからラサルハグはおかしくない。そう、認識は書き換えられた。 「あなた方に尋ねたいことがある。 まずひとつは…………?」 尋ねるべきことがある。ラサルハグ個人としてあなたに関わるべきことが。しかし、 それより優先されるべきはRole『Sorcerer』の役割だ。この箱庭では、そう定められている。 (-384) 2021/04/21(Wed) 19:13:43 |