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人狼物語 三日月国

94 【身内】青き果実の毒房【R18G】


【赤】 3839 南波 靖史

 
「俺はその時、見ていた訳じゃないよ」

  
「 “思い出した” 」


「大好きな大好きな、誰を殺しても何をしても愛されたかった“靖史”やすしに。
 去られた事が、置いて行かれた事が。その理由が。当時の俺は全く理解できなくて、悲しすぎて、耐えきれなくて、……自分の記憶から、抹消していた」

「まさか、靖史が残っていたなんて知りもしないまま」

「でも、消し切れるわけなかったんだ。当然だよね」

「 それだけ、“靖史”を愛していた」


「──思い出した切っ掛けトリガーは、他との会話でもあるし、君とのここでの接触行為でもあるし、きっと、靖史にとっても賭けだった。最も、時間の問題でもあったと思う」

そう、淡々と語れるくらいには、記憶を受け止められる程には。
賭けには勝ったのだろう。下手をすると狂乱の末自殺でもしていてもおかしくない。己を愛しすぎるとどうなるかなんて、……語らずともいい話か。
(*4) 2021/10/04(Mon) 2:30:30