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人狼物語 三日月国

124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】


【赤】 “観測者” 処暑

 
[ 半ば強制的に関わりが深くなった立秋の彼はともかく、私は他の灯守りに対してなかなか心を開けなかったし、会合へ出るのも、暫く間が空いた。
 私は“外”へ出られずに、殆ど領域に引きこもり、淡々と業務をこなしていたけれど、
 ただ、“外”のことは、“風”によって“見て”いた。
 処暑の灯守りに受け継がれる能力『風星』。
 空から地上を見つめる星のように、風によって離れたものを観測出来る能力。

 ただ、私は処暑域を見れば見るほど、分からなくなってしまっていた。
 この人々に守る価値があるのだろうか、と、そういうことを考えてしまう。
 彼から託された位。きちんと継がなければいけない、という思いはあったけれど。
 それでもやはり、彼を失った世界に、意味を見出す事が出来なかった。
 ――私は、この世界を嫌いになってしまっていた。


 “風”を小雪の彼女の元に飛ばしたのは、ほんの気紛れだ。
 彼が尊敬していた彼女の仕事を“見れ”ば、もしかしたら民を治めるとはどういうことか、分かるのではないかと。

 ……さて。それが始まりであった。
 灯守りという存在を“観測”するのは興味深く面白く、元の学者気質は蘇り、熱心な趣味となってしまった。 ]
 
(*19) hoshine_k 2022/01/23(Sun) 4:47:44