【人】 夢の続きを イクリール今日もイクリールの姿は食堂に無い。 けれど、『みんな』と同じこのギムナジウムに確かに居る。 子ども達は今日もきっと、同じ空を見ている。 これまでと何ら変わりなく。 その日常の裏で、教師達が事後処理に追われている。 そして、何かが少しずつ変わりつつある。 イクリールから生徒を強く遠ざけるような噂は 大人からの圧力は、徐々に薄れつつある。 事実上の謹慎処分もじきに解けるだろう。 だから、その日食堂であった騒動を知らない。 けれどきっと、いつかはそれに辿り着く。 イクリールは、『みんな』の事を知っている。 その内の誰かが居なくなれば、きっとすぐに気付くから。 そして、いつまでも覚えているだろう。 このギムナジウムが、『みんな』が愛せる場所であるように その為に奔走した子ども達が居る事を。 何度忘れたって、いつまでも。 (9) unforg00 2021/06/02(Wed) 23:49:18 |
【秘】 一人の少女 ブラキウム → 夢の続きを イクリール謹慎中のイクリールを探す。 以前は中庭で見つけることができたけれど 今日はどこに居るだろうか。 (-36) shionsou 2021/06/03(Thu) 17:45:31 |
【秘】 夢の続きを イクリール → 一人の少女 ブラキウムイクリールは今日も部屋を抜け出して このギムナジウムの何処かに居る。 教師達は慌ただしく『何か』に奔走している。 だからきっと、昨日よりはずっと自由で。 きっと今日も、変わりなく中庭で会える。 (-37) unforg00 2021/06/03(Thu) 19:57:45 |
【秘】 一人の少女 ブラキウム → 夢の続きを イクリール「あ、居た居た。ごきげんようイクリール」 中庭歩いているとあなたを見つけて声をかけた。 「……随分と色んなことがあったね。 君の方は大丈夫そうかい?」 (-39) shionsou 2021/06/03(Thu) 20:22:29 |
【秘】 夢の続きを イクリール → 一人の少女 ブラキウム「あら、ごきげんようブラキウム。探させてしまったかしら」 少しずつ、少しずつ日常へと戻りつつある中庭で イクリールはふと掛けられた声に振り向いた。 爽やかな秋晴れの日だった。 「…そうね、色々とあったけれど… わたしは平気よ。もうすぐいつもと同じように みんなとごはんを食べたり、授業を受けられるはず」 だからきっと、お茶会の約束ももうすぐよ。 そう言って、イクリールはいつものように微笑んだ。 その日食堂であった事を、知らないまま。 (-41) unforg00 2021/06/03(Thu) 20:45:01 |
【独】 夢の続きを イクリール/* 本日の天候確定ロールはこちら! 悪いがエピローグくらいは快晴になってもらう!!!!!!!! (-42) unforg00 2021/06/03(Thu) 20:46:59 |
【秘】 一人の少女 ブラキウム → 夢の続きを イクリール「……君はそんな顔だったんだね」 ぽそりと呟く。 揺らめくろうそく……よりはもう少ししっかりしているけれど柔らかくて温かそうなのは変わらない気がする。 ブラキウムを受け止めた時もそんな風に笑っていたのだろうか。 「別に。すぐに見つかったさ。 傷の調子も悪くないようで何より。 僕も君の事で随分と、まぁ絞られたよ。 君ほどではないけどお気に入りの仲間入りをしたみたいだ」 おそらく悪い意味で。 もちろん本命は別の件であるが、あなたの1件もウェイトが軽いとは言えなかった。 「お茶会も楽しみにしてるよ。 みんなも……呼んだらきてくれるさ」 (-44) shionsou 2021/06/03(Thu) 21:41:19 |
【秘】 夢の続きを イクリール → 一人の少女 ブラキウム「そう…それはよかった。 ええと、その…ブラキウムが怒られてしまったのは うぅん…ごめんなさいね。『せんせい』たち、心配性なのよ」 そう言って一つ、困ったように微笑んだ。 何も心配性、ただそれだけではないのだろうが。 それでもイクリールにとってはそれが真実だ。 少なくとも、今のところは。 「ええ、そうね。 みんなも、その友達も、そのまた友達も… 『みんな』を呼べば、きっと楽しいわ。」 もしかすると、『せんせい』に言って 食堂を貸しきったほうがいいのかしらね。 そう未来の事を語る表情は一転して楽しげで きっと、ブラキウムには見えなかった時もそうだったのだろう。 (-45) unforg00 2021/06/03(Thu) 21:58:12 |
【秘】 受容者 ルヘナ → 夢の続きを イクリールある程度こちらの諸々が落ち着いてから、暫くして。 ギムナジウム内を散歩がてら歩き回り、 お目当ての小さい彼女を探して周囲を見渡す。 「どこにいるんだろうイクリール…… 寮のほうに向かうべきか……?」 そうして彼女を見つけることができたのは 果たしてどこだっただろうか。 (-49) uni 2021/06/03(Thu) 22:16:47 |
【秘】 一人の少女 ブラキウム → 夢の続きを イクリール>>-45 「君が謝る必要は無いだろう。 あれに関しては全面的に僕の自業自得だよ。 だから何も心配しないで笑っていればいい」 こちらもふっと笑いかける。 みんなは好きだと微笑む少女にこんな顔をさせていたのかと思うとやはり罪悪感がふつふつと湧いてくる。 そして、年相応にころころと表情豊かなあなたの顔が真っ白な仮面に見えていた自分の目を、盲目だったのだと再認識した。 「呼び出されたときに君の事もたくさん聞いたよ。 まぁほとんどは君の言う通り『せんせい』の過保護だったけど。」 はぁとため息。 「そんなに大掛かりでやるつもりなのかい? 君も少しは『せんせい』離れをしたほうがいいと思うけどね」 (-50) shionsou 2021/06/03(Thu) 22:24:25 |
【秘】 夢の続きを イクリール → 受容者 ルヘナイクリールの姿は今日も生徒達の中には無い。 けれど確かに同じこのギムナジウムの中に居る。 あなたの足があまりひと気のない廊下に差し掛かった頃、 ぽつり、聞き覚えのある声がその耳に届くだろう。 「────ルヘナ?」 何か捜し物でもしているのだろうか。 そんな気遣わしげな声色と、それと表情と。 (-51) unforg00 2021/06/03(Thu) 22:25:59 |
【秘】 夢の続きを イクリール → 一人の少女 ブラキウム「……そう。ブラキウムがそう言うなら、そうするわ。」 そう言って、やはりいつものように柔らかく微笑んだ。 それがブラキウムの優しさの形だとわかったから。 だから何を後ろめたく思う事も無く笑えるのだ。 「あら……そうね、たしかに言われてみればそうだわ。 わたしだって、来年からは中等部だものね。 でも…もしも大勢でどこかを使うなら やっぱり『せんせい』にお話はしておかないと。」 ブラキウムは、あまり大勢とでは嫌かしら。 自分の事を聞いた、というブラキウムの言葉には あまり思う所も無いようで、ただいつかの事を真剣に考えている。 あまりにも不確かな未来の事を、ただ。 (-53) unforg00 2021/06/03(Thu) 22:35:36 |
【秘】 受容者 ルヘナ → 夢の続きを イクリール>>-53 「ああ、イクリール」 あまりひと気のない廊下、ある意味彼女らしい声と表情を聞いて 少し足早にあなたのそばまでやってくる。 ……最後に会ったのが彼女から手紙を受け取った時、だから、 自分は相当に取り乱していたはずで、 だから若干の気まずさのようなものはあるのだが。 「よかった……お前を探していたんだ。 昨日のこと、ごめんとありがとうを言いたくて。 手紙を配る手伝いをできなくてごめん、 あの手紙を届けてくれてありがとう。 おかげで、……色々あったけど……助かったよ」 昨日の手紙の件については本当に感謝している。 手紙の件単体なら自分の勘違いや受け取り違いもあって散々だったが、 自分がある程度落ち着いて会話できる精神状態になれたのは 彼女のおかげだという意識がある。 (-54) uni 2021/06/03(Thu) 22:43:29 |
【秘】 夢の続きを イクリール → 受容者 ルヘナ>>-54 「ごきげんよう、ルヘナ。」 やって来たルヘナを見上げて、まずは挨拶を一つ。 それから、ごめんとありがとうを言いたくてという言葉に ほんの少し、首を傾げて見せた。 「……そう。ううん、いいのよルヘナ。 あの時も言ったけれど、あれはわたしがそうしたくて ただそれだけでしていたことだから。 だから、二人の間になにか後悔をしてしまうような そんなことが無かったなら、わたしはそれでいいの」 あの手紙、という言葉に合点が行ったという顔をして、 そしてやっぱり、いつも通りに笑って見せた。 あの時のルヘナの様子を、心配していなかったと言えば それはきっと、嘘になるだろう。 けれど今こうしてありがとうを言う事ができるのだから ならばきっと、それで良かったのだ。 少なくとも、イクリールはそう思う事にした。 (-56) unforg00 2021/06/03(Thu) 23:02:27 |
【秘】 一人の少女 ブラキウム → 夢の続きを イクリール「うん。その方が好きになれる。きっと、みんなも」 あなたがみんなを好きなようにみんながあなたを好きになれればいい。 今ならそうも思える。 だからあなたはそのままでいいのだろう。 それがあなたにとっての真実なのだから。 「……それとね。その言い方やめないかい?なんだか僕の都合のいいようになります、みたいな感じがして嫌。 イクリールはもう少し我を出していこう。 僕みたいに 」真剣に考えるあなたに難しい顔をする。 「とりあえず最初はささやかにやってからにしよう。 それなら準備にも時間はかからないだろうし、冬を越す前にもできるだろう? 大勢でも構わないけどあの『せんせい』ならいきなりパーティなんて認めないだろうし。盛大にやるのは君がもうすこし大人になってからでもいいんじゃないかな。 その時は君が好きな人を招待して主催になるなんてこともできるかもよ」 ブラキウムにとっても遠い未来のことは今まで以上に不確かだ。 けれど、あなたの前でくらいは何事もなく変わらない風に笑いあうのも悪くないと思った。 (-57) shionsou 2021/06/03(Thu) 23:06:55 |
【秘】 受容者 ルヘナ → 夢の続きを イクリール>>-56 「悪い、挨拶してなかった。ごきげんよう」 あなたからの挨拶でふと挨拶すら忘れていたことに 気付かされれば、同じように返す。 『らしくない』挨拶かもしれないが、まあ、いいだろう。 「イクリールが手紙をくれたおかげで、俺はシトゥラに会えた。 知らないことだらけだったことを知って、 少し……情けない事に、俺が思いつめすぎもしたんだが。 でも今日になってまた会えて……後悔じゃなくなったよ。 目標と言えばいいかな、とりあえず前向きなものになった」 伝えられること、伝えられないこと、色々あるけれど。 それでもシトゥラとも交流のあるあなただから伝えた。 ……自分の目標達成のためにあなたの力も借りるだろうし。 「だから、本当に感謝してる。ありがとう。 あと、それから……これはお礼ついでのお願い事なんだが。 イクリールとシトゥラ、二人でよく食事していただろ。 シトゥラが戻ってくるまで、それと戻ってきてからも、 俺も一緒に食事させてもらってもいいか?」 (-59) uni 2021/06/03(Thu) 23:23:48 |
【秘】 夢の続きを イクリール → 一人の少女 ブラキウム「ええと……そうかしら?ブラキウムがそう言うなら… …は、よくないのよね。うぅん…… わたし、ただ嫌と言われたことはしたくないだけよ。 それに人が喜んでくれることならしたいから…」 どうしたものだろう。 自主性を持つように、とはよく言われるものだけど それも一般的にはこうした方が良い、とされるような事を 自ら進んで行っていれば大抵は良しとされるものだ。 そして率先してそういった行動を取りがちなイクリールは 我を出していこう、なんて言われた事も無かったのだ。 「うぅん……そうね、まずは様子を見るのも大事だわ あまり急でもまた『せんせい』を驚かせてしまうでしょうし… うん、ブラキウムの言うように、まずはささやかに。 その次のことは、またみんなで話しあうのがいいわね。」 一先ずは気を取り直してブラキウムの提案に相槌を打つ。 けれどその前の発言に気を取られるあまり、 『冬を越す前に』という言葉の意図は掴み損ねてしまった。 抱えた問題と向き合う時間は幾らでもある。 だから、今はそれで良いのかもしれないけれど。 (-60) unforg00 2021/06/03(Thu) 23:46:22 |
【秘】 夢の続きを イクリール → 受容者 ルヘナ>>-59 「……そう。ルヘナは、シトゥラに会えたのね」 聞こえるか聞こえないかの声で、なぁんだ と呟いた。 イクリールだって、別に心配していないなんて事はなかった。 だって、本当にあの手紙から不穏な気配を何一つ感じていなければ きっと、急いで手紙を配り回る理由なんて無かったはずだ。 「うん……そうね、それならわたしからも よかったわ、って。言わせてちょうだいね。」 ありがとうには、素直に笑ってどういたしましてを。 それから、お願い事?と一つ目を瞬かせた。 「ええ、もちろん。 二人よりも三人、それよりももっと。 ごはんはみんなで食べた方が、きっとずっとおいしいわ。 …それにね、ルヘナ。 お友達とごはんを食べるのに、 許可をもらう必要なんてないのよ。」 ああでも、もしかしたら。シトゥラ次第かもしれないわ。 そう続けて、いたずらっぽく笑って見せた。 (-62) unforg00 2021/06/04(Fri) 0:05:02 |
【秘】 受容者 ルヘナ → 夢の続きを イクリール>>-62 「ああ、なんとか。……お前が急いで届けてくれたおかげで、 あいつと会うことができたんだ。 あいつ、俺が来たからって隠れて慌てて帰ろうとしたんだぞ? 少しでも遅かったらすれ違ってたと思う」 慌てて帰ろうとした結果の大惨事については触れない。 けれど思い出して少し呆れつつやはり笑って。 あなたがひとつひとつ投げかけてくる言葉を聞く度、 前まではその眩しさを恐れていたはずだったが、 今は全く恐れていないことが少しおかしくて。 それから、あなたが自分を『お友達』と思ってくれている、 その事実に感謝を抱きつつ……こちらも同じように、 いたずらっぽく笑い返して。 「あは、それなら俺も あまり食べられるわけじゃないが ありがたく。あとそうだな、シトゥラに許可を取るためにどうしたらいいか、 俺と一緒に考えてくれ。お前の力が必要だ、イクリール」 敵対者であったはずのあなたが『友達』であることに くすぐったさを感じながらも、喜んでいる自分がいる。 それがとても、とてもおかしかった。 (-64) uni 2021/06/04(Fri) 0:30:27 |
【秘】 一人の少女 ブラキウム → 夢の続きを イクリール「悪い事じゃないから余計にそうなってるのはよくわかるんだ。 でも、やっぱりこれからの君の事を考えるとその方が……そうだね。面白くなるかもしれないよ」 いたずらっぽく笑う。 変わらない日常もいいけれど、あなたにはもっと刺激があっていいと思う。 それこそ時間はたっぷりあるのだからゆっくりと段階を踏んで。 忘れらないような日々にしてしまえばいい。 その手引きをするくらいなら喜んで。 ブラキウムはいい子ではないから怒られるだろうけど。 "お願い"されてからではなくてあなたが望んで人の手を取る日が来てほしいと思う。 「そうしよう。 みんなで一緒に話しておけばなんとかなるさ。 ……あぁそれなら今からどうするか考えておかないと」 だけどそれはもう少し先のお話。 今くらいはもう少しこのままでも構わない。 ここに居るにはまだ等身大の二人のこどもだ。 (-65) shionsou 2021/06/04(Fri) 0:31:59 |
【秘】 夢の続きを イクリール → 受容者 ルヘナ>>-64 「慌てて帰る?隠れて? あら、あら…… 思ったよりは、やましいことがあったのかしらね」 本当に、しかたのないひと。 そう言って、イクリールはやはり屈託なく笑った。 それを責めるつもりは…まあ、事と次第に依るけれど。 けれどまあ、既にルヘナと会っているなら。 叱る役目は、自分のものではないはずだから。 ないといいんだけどなぁ。 「ええ、いいわ。 わたし、こう見えて結構わがままなのよ。 一度こうしたいと思ったらてこでも動かないわ。 もしかすると、 シトゥラはそれよりもっとわがままかもしれないけれど。」 その時は意地の張りあいね。 そう言って、ルヘナと同じように、心底おかしそうに笑った。 本当は、このギムナジウムの中に敵なんか居なくって 色々な事が少しだけ、すれ違ってしまっていただけのはず。 そしてきっと、ただその正し方がわからなかっただけなのだ。 一度わかれば、もう怖くない。 その証明こそが、今この場にある光景なのだろう。 (-66) unforg00 2021/06/04(Fri) 0:56:08 |
【秘】 夢の続きを イクリール → 一人の少女 ブラキウム「なら、覚えておくわ。 今はまだ、どうすればいいかわからないけれど… わからないなら、これから知っていけばいいのだものね。」 それは数日前にブラキウムへ語った事のリフレイン。 わからないなら、知らないのならこれから知れば良い。 イクリールが盲目のブラキウムの手を引いたように、 ブラキウムがイクリールの手を引いたって良いのだ。 何度だって。 そうして受け取ったものは、きっと二人の宝物になる。 たとえいつか忘れてしまったとしても、 決してその日々が無かった事にはならないのだから。 「ええ、そうね。 ブラキウムさえよかったら、一緒に考えてくれるかしら? わたし一人じゃきっと、全部には気が回らないから。」 二人の子どもはただ顔を見合わせて笑う。 きっとこのギムナジウムは、その子ども達は 今よりもずっと、良い方向へ進んで行ける。 そうである事を願う心があるのだから。 (-67) unforg00 2021/06/04(Fri) 1:15:24 |
【秘】 徒然 シトゥラ → 夢の続きを イクリール「………イクリール」 イクリールの部屋の扉の前。 真実をしってから彼女に会いたくて、 ようやく見ることができるようになったのが嬉しくて 包帯姿のままだがやってきてしまった。 「あー……食事に、誘いに来た。 大人に出してもらえないのなら、 ボクが出せるように声をかけてきてあげる。 この部屋に自分が来てもいいよ。 ……君に会えなくなるぐらいなら 大人の言うことを聞かないことにしたんだ。 だから、……一緒に食事をしよう、お話をしよう。 大人達に変えられてしまってボクのことを忘れていても、 何度でも会いにくるから」 愚かないい子をしていたシトゥラをあなたには見せていた。 だからほんの少しの偽りと、本音を混ぜて 小さな少女との会合を願った。 知ってしまったから―――あなたの病のことを。 居ても立っても居られなかったのが本音である (-81) toumi_ 2021/06/05(Sat) 3:14:20 |
【秘】 夢の続きを イクリール → 徒然 シトゥラあなたが全ての言葉を告げ終えて、それから。 ぱた、ぱた、ぱた 小さな足音の後。 本当はドアなんて思い切り開けてしまいたかったのだけれど、 きっとあなたをびっくりさせてしまうから。 逸る気持ちを抑えて、そうっとドアを開けて、それから、 「────シトゥラ!!」 ぱあっと表情を明るくして、 それから堪らず目前の人影に飛び込んだ。 居ても立っても居られなかったのはお互い様だ。 少女の不意打ちは、あなたに受け止められた? (-84) unforg00 2021/06/05(Sat) 3:37:05 |
【秘】 徒然 シトゥラ → 夢の続きを イクリール「えっ、あ………イクリール? 本当に、体調が悪いわけじゃ無くてよかった」 ちょっとだけ期待をしていた。 彼女は本当に自分に会いたがってくれていると。 だから構えてはいたが、 ……まさか飛び込んできてくれるとは思わなかった。 優しくて穏やかな彼女が飛び込んでくるのを優しく受け止め、 緩んだ頬を隠さずそっと頭を撫でた。 「あんまり詳しくは聞いていないんだけど、さ。 イクリールが閉じ込められているのかと思って迎えに来た。 今日はこっそり、いつかは堂々と。 あなたを連れ出してやろうと思って。 会えなくて……さ、寂しかったからさ。 どう? イクリールは悪い子を一緒にしてくれたりは…する?」 誰かに教わった感情を伝えること。 不足しすぎているので少し恥ずかしいが言葉に込めておく。 大人のお気に入りだとか関係はない、 イクリールの意思が自分にとって大切だった。 (-85) toumi_ 2021/06/05(Sat) 3:55:19 |
【秘】 夢の続きを イクリール → 徒然 シトゥラ「あ……ええと、ごめんなさいね、シトゥラ。 あなたが会いに来てくれたのが、うれしかったものだから…」 だから、つい。 そうばつが悪そうに呟いて、そっと腕を離そうとしたけれど 殆ど不意打ちのようなそれを咎める事も無く受け止めて、その上で 頭を撫でられるものだから、離れる気なんか無くなってしまった。 「大丈夫。わたしは元気よ、閉じ込められてもないわ。 この数日で、いろいろとあったから… 『せんせい』たちが心配して、少し過保護になっていただけ。」 確かめるようにもう一度、シトゥラの背に腕を回して いつものように、優しく言って聞かせるように話す。 『過保護』という言葉はブラキウムからの借り物だけど 今のイクリールには、他に適切であろう表現もわからなくて。 「寂しかったのは、わたしもよ。 だから、あなたからのお誘いを断る理由なんてひとつもないわ。 …それにね、シトゥラ。 わたし、この数日で何度もお部屋を抜け出して 『せんせい』に叱られるたびに駄々をこねたのよ?」 だからわたし、きっとみんなが思うほど『良い子』じゃないわ。 そう言って、いたずらっぽく笑ってみせた。 (-86) unforg00 2021/06/05(Sat) 4:29:01 |
【秘】 徒然 シトゥラ → 夢の続きを イクリール「駄々をこねるなんて、君らしくないな。 もっとおとなしいと思っていた」 忘れないで。 覚えていて。 おいて行かないで。 「『過保護』かぁ、じゃあ『護衛する』からとでも 大人には説明しようかなぁ。 年長の権利くらいあるから、 きっと一緒にいられるようになるよ」 この程度ぐらいなら、 違う意味で大人に気に入られてる自分なら可能だろう。 もっとも愚か者としてだが。 「……ねぇ、イクリール。 これから先も『過保護』なことが続くと思う。 その時もし、ボクのことを忘れなさいって 大人に頼まれたらどうするかな? それでもし、……本当に忘れてしまったとしたら思い出したい?」 (-87) toumi_ 2021/06/05(Sat) 5:19:13 |
【秘】 夢の続きを イクリール → 徒然 シトゥラ「あら、いいの? シトゥラが思っていたよりもわたし、 おとなしくしていられない子みたいだけれど。」 きっとあなたを振りまわしてしまうことになるわ。 言葉に反して、あまり悪びれた様子も無く笑う。 『これから』がある事を疑う事も無く。 「…わたし、きっと誰のことも忘れないわ。シトゥラの事も。 あまり『せんせい』たちを困らせたくはないけれど、 でも、それ以上に『みんな』の事が、このギムナジウムの全部が 何より大好きで、それに大事よ。 たとえ忘れてしまったって、何度だって思い出して… それから、何度だって好きになるわ。」 だってわたし、みんなのことが好きだもの。 そう言って、もう一度 いつものように、変わる事無く、屈託なく笑い掛けた。 これからもきっと、ずっと、いつまでも。 (-88) unforg00 2021/06/05(Sat) 5:39:02 |
【秘】 徒然 シトゥラ → 夢の続きを イクリール「……大丈夫。 みらいの『せんせい』になるつもりのボクだよ? イクリール一人の面倒も見れないはずはない」 彼女の真の幸せはまだわからない、だが幼いこの希望も、 純粋な思いも汚したくない、壊したくなかった。 たとえそれがエゴだとしても 「嬉しいな、そんなに好きでいてくれるなんて。 今度、……図書室にも遊びにおいでよ。 イクリールの栞とカードでも作ってあげる。 何を読んだか忘れないし、なにを借りたかも覚えていられるんだ」 あなたが持っていないとは思っていない、 だが、作りたくなってしまったのだから仕方ない。 なにか残るものを、……いくらでも付き合う準備はできている 「……約束がやぶられたら、 ごめんなさいをして新しい約束をしよう。 僕も、『みんな』や『イクリール』が大好きだ。 そして、このギムナジウムからもいなくなってやらない。 いつだって、悪い子になってたまにお茶会をしよう」 我慢をしなくなったのか、たった数日で表情が見えないぶんも明るくなり元気になったように見える。 そして幸せそうにあなたとの未来を描いた。 忘却の先に絶望なんてつくらない、 この笑顔をあなたに送り続けるために (-91) toumi_ 2021/06/05(Sat) 8:23:18 |