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人狼物語 三日月国


99 【身内】不平等倫理のグレイコード【R18G】

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【秘】 介護用 シェルタン → 愛玩用 ドゥーガル

「僕、君の前でまるっきりの嘘なんか言ったことないのだけれど。騎士様としても、シェルタンとしても。だって僕は介護用なのだから、と……、はいはい、あーん」
口をとがらせてみせるのも程々に、半分の雪うさぎを口に含んだ。
ざり、と雪粒の感触が一斉に溶けて、いちごジャムと混ざって薄まっていく。

「なんだか意地悪したくなってきてしまったな、どうしようかな、こっちのうさぎさんはまだ隠れきれていないよ?」
もうひとさじ、こちらの雪をすくい取って、あなたの目の前でゆらゆらと揺らす。
(-3) nekonya 2021/10/10(Sun) 22:33:59

【秘】 介護用 シェルタン → 愛玩用 ドゥーガル

「そうだなあ、たしかに僕は“わざと言わないでいること”はいくつもある。秘密が多いほうが魅力的だって、ほら、よく言うだろ?
その代わり、言った言葉は嘘じゃない。嘘を付くと隙ができるから」

素直で怠惰に餌をまつ唇に、「えらいね」なんて言って匙を差し出して……ひょいとそれを引っ込めて、自分の口に含めた。

それをあなたへ口移しで与えるだろう。甘えたの姫様はずっと騎士に身を寄せていたから、たぶん簡単だ。ちょっとだけ、頭を動かすだけでいい。
(-10) nekonya 2021/10/10(Sun) 23:11:23

【秘】 介護用 シェルタン → 愛玩用 ドゥーガル

雪はもうあっというまに溶けてぬるくなって、お互いの体温になってしまっていただろうし。いちごジャムの味だってたぶん、ほとんどわからなくなってたんじゃないだろうか。

強引に引き寄せられる、離れないようにされる。慣れたことで、予想はしていたことで、そして自分からしかけた悪戯だから、逃げることなんかしなかった。

どうであれ、ずいぶん長く深くそんなことをしていた。人の部屋の前で。最悪だ。騎士が姫にする悪戯にしたって質が悪かった。

「僕は秘密がいっぱいあるし、魅力的じゃない?」
唇が離れてから、そんてことをのたまった。
(-20) nekonya 2021/10/11(Mon) 0:01:24

【秘】 介護用 シェルタン → 愛玩用 ドゥーガル

今この部屋の住民が帰ってきたらものすごく困るだろうな。入りにくそう。
頬に柔らかい感触を感じて、そんなことを頭の片隅で考えた。甘いやり取りをしながらもその実、ただのじゃれあいのようなもので。恋人同士に良くあるような"お互いしか見えてない2人の世界"とはほど遠い。

けれどもまあ、じゃれあいもお姫様も彼のことも気に入った。心の大事な部分にしまいこむことと、好意を持つことはイコールではないのだから、

「しょうがないな、お姫様は。じゃあ今少しだけ教えてあげようか。さて、なにがいいかな……」
と、髪を弄るあなたの手をとって指を絡めてみる。意味のある動きじゃなくて、そう、ただのじゃれあい。
(-23) nekonya 2021/10/11(Mon) 12:35:43

【秘】 介護用 シェルタン → 愛玩用 ドゥーガル

問い掛けを待つ間、指を絡めた手をふにふにと玩んだ。流石、愛玩用は触り心地もいいんだな、と元々の自分との差をここでも認識した。

「君はやっぱり賢いし話上手だね。君が不出来なのは、君がそういうタイプの役割を課せられているからという、それだけの理由じゃないかと考えてしまうよ。

僕の、シェルタン・マタル・マフフーズの主人は……ああ、これは奥方が夫のことを呼ぶ時の"主人"の使い方に等しいのだけれど、満たされてない人だったよ。
彼は人間だけど、人間の中でも疎んじられている人だった。あるのはちょっとした地位と使い道のない金銭と、動かない足と、手術に耐えきれない弱い体と、捨てきれないプライドじみたものだけ」
かわいそうにね、と笑みを浮かべ、一旦あなたの反応を待つ。
(-26) nekonya 2021/10/11(Mon) 17:12:46

【秘】 介護用 シェルタン → 愛玩用 ドゥーガル

介護用の手は、様々な作業をやりやすいようになっている。爪は短く丸く切りそろえられて、指は長めにほっそりと。男性らしく、少し骨ばった印象があるだろう。皮膚は、この場においてはなめらかであるはずだ。

「ふふ、そう、彼が主人。僕は奥方役。

まあねえ、僕が主人を可愛そうというのは、主人が自分を哀れと思っているからなのもあるかもね」
ねだるようなあなたの手のこうに、もう片方の手の指先でくすぐるようにつついた。お手々が退屈だったので。

「恥ずかしいことを言うようだけど、誰かに愛を感じたことはないんだ。庇護することは僕の本能で、僕はその行為にはあまり感情を抱いていないし……。
ごっこ遊びはそこそこ面白いから、愛とも言うのかな?

ああ、主人は僕を愛しているよ、そのように僕が振る舞ったし、彼も僕を少しずつ好みにしていったからね」
(-29) nekonya 2021/10/11(Mon) 20:49:23

【秘】 介護用 シェルタン → 愛玩用 ドゥーガル

「楽しいは愛しいね、君とこうしてるのも楽しいから、愛しいかな。では主人は愛しいし、人間も愛しいかも」
骨の形を確かめるように輪郭を撫でて、次に視線が向いたのは真っ白な髪。
柔らかなあなたの手からひとつ離して、抱き寄せるように頭に片手をまわして。梳くように撫でてみれば、たぶん見た目通りにさらさらとしているのかな。

「うん。“自分はこういう見目が好き”という情報を、世間話として僕に晒しだして……それを僕が拾い上げて、“君が喜んでくれると思って”って白々しく言いながら変えてきたりとか。

そんなこと続けてたら、最終的には主人の方から体の形を変えて欲しい、とまで言ってくれるようになったんだ。あれは面白かったな」
(-31) nekonya 2021/10/12(Tue) 0:03:59

【秘】 介護用 シェルタン → 愛玩用 ドゥーガル

「うん、僕の生きる世界は愛らしくて愛しいものでたくさんというわけ。良いことだね。

身長も指も顔も細々変わってるけど……そうだな、一番変わったのかね」
(-33) nekonya 2021/10/12(Tue) 7:53:23

【秘】 介護用 シェルタン → 愛玩用 ドゥーガル

片手はあなたの髪の感触を楽しむままに、
もう片方の重ねた手のひらを、自分の体の中心部の下のほうへ導いて、やんわり触れさせた。
「ここかな」
(-34) nekonya 2021/10/12(Tue) 7:53:42

【秘】 介護用 シェルタン → 愛玩用 ドゥーガル

「あははは!」
ゆっくりとあなたの手を離させて、ぱ、と解放した。
心の底から楽しそうに無邪気に笑う。

「ごめんよ、驚いた? うん、僕は男性型だったし、今も9割はそうだけど、失くなっちゃった」
強張る体をなだめるように、頭を撫でて、背を撫でて。
(-36) nekonya 2021/10/12(Tue) 16:54:35

【秘】 介護用 シェルタン → 愛玩用 ドゥーガル

「あは、さすがにやらないよ。悪戯の範囲を越しちゃうもの。それはまた今度。
望んでも良いんだと一度思わせたら、人はどこまでも望むようになるよ」

手持ちぶさたに髪を編んで、ほどいて、指に絡めて。

「どうしようかな、姫様が寂しがるようなら、何でもないような話を続けてご友人を待ってもいいけれど」
(-41) nekonya 2021/10/12(Tue) 20:42:49

【人】 介護用 シェルタン

部屋の前、早足に来る人影に気がつけば。

「やあ。おかえり。お邪魔してるよ」
空いている片方の手を、ゆるりと部屋の持ち主へ振った。

持ち主の友へは、「お話ありがとう、君のことももっと知りたいけれど、また今度」と頬にキスを落としてから、部屋の前を去るだろう。
(39) nekonya 2021/10/12(Tue) 22:36:34