【神】 美術 エノ「へぇ。」 投票結果を見に来た。 まぁやはりと言うべきか、立ち並ぶ同一の名前。 ちらほら、違う名前もあるようだが。 「2回目の人がいる限り、1日に二人は選ばれるというわけだね。」 じゃあ、誰なら死んでもいいか、とかよりも。 『2回目の人をまず消そう』となるのだろうか? (G13) arenda 2022/02/26(Sat) 22:12:26 |
【秘】 美術 エノ → 不運 フカワ「可愛いんだ、俺。」 「別に、鳥籠の中に入れられてたって良いんだ。」 「ただ、檻の中に入って欲しいだけ。」 自由になりたいわけじゃない。 不自由なんだと思われたくないだけ。 でも、少し見方を変えてもらえるなら。 金持ちの息子ではなく、エノを見てくれるなら。 やはりそれは、嬉しい事に違いない。 「兄妹とそんなに話すこともないからね、尚更に。」 「ん、写真みせて。どんな顔かな。」 わくわく、と言った様子は、はたから見ても楽し気だ。 青年は、どんな所でも楽しめる普通の感性をしている。 普通じゃないと、決めつけられてるだけ。 タン塩、と呟いて復唱しながら、それに箸をつける。 焼けたそれを口に含んで……これが、君の好きな味。 歯ごたえがあって、少し塩味があって…… 「………美味しいね。」 耳元でそう囁いて、小さく笑った。 (-12) arenda 2022/02/26(Sat) 22:21:06 |
【神】 美術 エノ「あれ、違うのかな。」 「昨日の合議の話題からして、そうだと思ってた。」 2回目の人のために、話し合いをすると言っていたのだから。 2回目の人は、毎日一人選ぶのだと思っていた。 ちがうのかな、と首を傾げて。 (G17) arenda 2022/02/26(Sat) 22:23:22 |
エノは、オレンジジュースがあるのを見ると、少し目を丸くした後、嬉しそうに手元に引き寄せた。 (a1) arenda 2022/02/26(Sat) 22:26:46 |
【秘】 美術 エノ → 清掃員 カミクズ「触れたら壊れるガラス細工でもないのにね。」 肩書一つで接し方が変わる。 青年は現実世界では、ガラス細工のように扱われていた。 何一つ凄惨な過去もない。 何一つの躓きも無ければ、山も谷もない。 どうしようもなく順風満帆な人生を、 凪の中を進み続けていた。 「そんな感じ。良いね、理解されてる。」 「気持ち良いよ、心に触れられるのは。」 ほう、と息を零して。 軽く体を抱く、喜びと言うのは何とも温かなものだ。 「いいよ、適当な景色を描いてみよう。」 「上手く描けなくても、いいんだ。」 「でも、最後まで描き切ってくれたらうれしい。」 筆とキャンパスをデータの海から作り出して。 君に同じ景色を見てもらうために。 そうして、君の横に並び、あるいは手を取って、 一つ一つ、教えていっただろう。 (-17) arenda 2022/02/26(Sat) 22:33:43 |
【神】 美術 エノ「うーん、そうだったかも。」 「勘違いだったかな、でも、実際に二人選ばれているからね。」 「2回目の人が選ばれれば、予備はいらなくなるのかも。」 ふわりとした、イメージだけの回答だ。 実際がどういう風なのかなんて、全然詳しくない。 こちらも、思ったことを、特に噛み砕かずに言っている。 「指標くらいにはなりそうじゃない。」 「まぁでも、誰がなんてわかりっこないか。」 じゃあ、どうでもいいのか。 (G25) arenda 2022/02/26(Sat) 22:38:14 |
【秘】 美術 エノ → 演劇 アクタ「まぁ、俺もそうだからね。」 「普通の生活が羨ましい。」 「家族で手分けして家事をして、テストの点で怒られたりして」 「お小遣いをもらってそれをやりくりしたり、たまに奮発してちゃんとしたお店に行ったり。」 「それがいいなって思う。」 「ただ、そっち側が多数派で、俺が少数派。」 「それだけの違いなんだろうね。」 淘汰、とまではいわないけれど。 マイノリティは軽視されがちだ。つまり、そういう事だろう。 やはり感慨なく告げられる言葉は、諦めの色が濃いのに。 それでも青年は、理解を求めている。 完全に諦めてしまう前の、最後の輝きなのかもしれない。 ……肩に、人肌の温もりが移された。 ▼ (-22) arenda 2022/02/26(Sat) 22:48:02 |
【秘】 美術 エノ → 演劇 アクタ「……………そう。」 乗せられた頭に、目を丸くした青年は。 しかし、どこか嬉しそうにして。 その頭に擦りつくように、自分の頭を寄せた。 触れ合いは好き。理解が進むようで。 「いいね、家族でお出かけ。」 「そっか、子供の頃からの夢なんだ。」 「………いいね。」 君のことが理解できる。 嬉しくて、気持ちいい。 「そうなのかも。何もないや、俺らしくあるためのもの。」 「だから、芯のある人を見ると羨ましく思えるのかもね。」 「……素敵だね。」 耳元で、囁くように告げて。 自分についての解釈をされる。興味を持たれてる。 嬉しくて、気持ち良くて、高揚する。 出された飲みものに、お金も払ってないのに奢りなんだ、なんて言いながら。 手に取って、一口飲んで。 きちんとした製法で作られたわけでもない、大衆向けの味。 ……でも、美味しい。そう思った。本心から。 「はい。」 好きなら、君も飲むでしょ、と、ボトルを差し出して。 (-24) arenda 2022/02/26(Sat) 22:54:37 |
【神】 美術 エノ「うーん、それにしても。」 「選ぶ基準がないな、今日は。」 クジで決められた投票を眺めながら。 特にそれに言及することもなく。 自分もそうしようか、でもな、なんて考える。 オレンジジュースは冷たくて、美味しかった。 (G30) arenda 2022/02/26(Sat) 22:56:38 |
【神】 美術 エノ「立候補者がいないんじゃ、しょうがない。」 「各々、好きに選ぶしかないよね。」 「それが一番穏健だ。」 話し合いをしても、まとまらないと思っている。 現に、まとまってる所を見たこともないし。 人と心を通わせるのは、難しい。 (G34) arenda 2022/02/26(Sat) 23:43:18 |
【秘】 演劇 アクタ → 美術 エノ「わ、」 温もりが合わさって、重なる。 頭同士が触れる。温度を伝え合う──この感覚は、好きだ。 「僕、学校でも演劇部入ってて 将来は劇団入りたいとか、家族に話してて。 アクタなら出来るよって、頭をさ……」 自分は、両親に頭を撫でられるのが大好きだ。 あったかい手が触れる感覚に、愛情を感じられるから。 ───そっと、腕を伸ばして、 そうされるのが好きなように、君の頭をゆるりと撫でた。 多数派とか少数派とか、よく分からないけど 自分はたくさん持っているから、こうして分ける事が出来る。ただ、それだけ。 ▽ (-32) osatou 2022/02/26(Sat) 23:56:48 |
【秘】 演劇 アクタ → 美術 エノ「お前らしいものか。」 彩りどりの髪の間を梳くように丁寧に撫でる。 「絵が上手いとか、」 地肌に爪を立てないように撫でる。 「ちょっと変な奴なとことか、」 君の頭を変わらず撫でながら。 「……そんで、寂しがりに見える。 自分に無いものが欲しくて、何もない自分が嫌で、みたいな……さ。」 勿論、君の真意は分からない。 けれども、男の目には君はそう映って見えた。 「……それでもお前は変な奴だけど、 可愛いとこあるじゃん、えっと……エノ。」 ひとしきり撫でた頃、五指を君の髪から離していく。 君の囁きを耳に受ければ、擽ったい、と笑って 「飲みさし渡すなよ。」 どこでも──コンビニなんかで手頃に買える、透明な黄色いレモンティ。 体に悪そうな甘さに、レモンの風味。チープな味が親しみやすくて、好きだ。 自分の好きなものを誰かも好きになってくれたら、きっとW素敵Wだ、と、 差し出されたボトルを手に取り、一口喉に通して、君に突き返す。 (-33) osatou 2022/02/26(Sat) 23:58:57 |
【秘】 清掃員 カミクズ → 美術 エノ「そう……ですね。 もし傷付けてしまっても、時間があればまた歩み寄れるはず」 それでも。 傷付けてしまう事を恐れる気持ちが無いとは言わないし。 その感情の全てを理解できる、なんて驕れもしないけど。 それにきっと、あなたと出発地点は違うけれど。 でも、一人の寂しさは、ようく知っている。 「エノさんが…不快でないなら、よかった。 あの、でも、自分、あんまり要領よくないですから。 だから…根気よく教えてくださいね」 人からは、ちょっとばかり誤解を受けそうな。 そんなあなたの反応に苦笑した後に。 ほんの少し、憂鬱ではなく、照れくさそうに笑った。 それから。 元々壊滅的ではなかったのか、あなたの教示の甲斐あってか。 或いは両方か。何れにせよ、 清掃員は、特別上手いとも特別下手とも言えないような。 そんな、少し褪せたような風景画を描き終えて。 きっとそれを、消してしまわずとっておいたんだろう。 この合議が終われば全て消えてしまうとしても、今だけは。 (-38) unforg00 2022/02/27(Sun) 0:25:27 |
【神】 美術 エノ「う〜ん、誰にしようかな。」 「俺、あんまり誰かと話もしてないし。」 「ないな、基準が。やっぱりくじか……」 当然、味方も少ないという事。 明日で命運が決まるのかもな、とぼんやり考えて。 …………まぁ、そんなものか、と言う気分にしかならなかった。 (G41) arenda 2022/02/27(Sun) 0:34:53 |
エノは、絵筆は身近なものかと言われると、ちょっと自信がない。 (a17) arenda 2022/02/27(Sun) 1:36:14 |
エノは、身近、なものは、わからない。 (a18) arenda 2022/02/27(Sun) 1:36:37 |
【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ耳元で囁かれると、ぞくりとする。 よかった、と溢しながら端末をいじれば一枚の写真を広げて見せた。 運転免許証のような写真だが、今目の前にいる子の姿が成長したような、なんとも言えない大人の姿をしていただろう。 「聞けば 聞くほど、俺もそんな一緒の檻に人がほしかったような……そうでもない気がしています。 友達が少なかったから、そう思うのかもしれません」 耳元を押さえて、深呼吸をした。 肉は焼き続けるが二人で多食いでもない、山にはならず適度にそれは積み重なっていく。 付け合わせの野菜はキャベツが好きで、玉ねぎは弟に譲ってばかりだったとか。 母親はカルビが好きで家ではそればっかりだっただとか。 「そう、だ、食べてるから平気ですか……? 寒いところ嫌そうだった、から……体調悪くなったら教えてください」 そんな男はぼろっと、首筋に絆創膏が増えているのがわかるだろう。そばで香りを嗅げば湿布の匂いもする。 (-47) toumi_ 2022/02/27(Sun) 1:38:22 |
【神】 美術 エノ薄ぼんやりと眺めていた合議から目を逸らして、投票用紙を眺める。 やはり、なにか決め手となるものがある訳でもなく。 さてどうしたものか、一度持ち帰ろうか、 そんなことを考える。 「……美味しいな。オレンジジュース」 今日の合議の成果は、それだけになりそうだ。 (G68) arenda 2022/02/27(Sun) 11:41:52 |
エノは、オレンジジュース一杯分の感謝を (a24) arenda 2022/02/27(Sun) 11:44:08 |
【秘】 美術 エノ → 演劇 アクタ「部活か、いいね。俺、入った事ないや。」 「嫌なんだよね、俺がいる時だけ空気が変わるのが。」 「………………ん…………」 君が沢山持ってるものを、一欠片貰う。 青年は、それを親から貰ったことがない。 別に嫌われてたわけでも、なんでもなく。 強いていえば、そう。ただ、時間がなかったのだろう。 だからその暖かみは新鮮で。 目を細めて、子猫のように手のひらにじゃれついてしまう。 気持ちいい。 「時間は沢山あったからね。」 絵が上手いと言われたことに対して。 「そんなに変かな、俺。」 変なやつだと言われたことに対して。 「……そう、うん、寂しがりなんだ。俺って。」 「きっと、そうだと思う。言われて、納得ができるから。」 「………………。」 しばらく手にじゃれついて ▼ (-80) arenda 2022/02/27(Sun) 11:53:36 |
【秘】 美術 エノ → 演劇 アクタそうして、離れ行く手をあぁ……と小さく、 名残惜しく眺めて。 レモンティーを飲む。きっとこれその物はそんなに美味しいわけじゃなく。 ただ、きっと。 君が好きなものだから。 君から貰ったものだから。 美味しく感じるのだと思った。 「……好きだよ。この飲み物。俺も。」 「飲みかけ、ダメなんだ。あんま人と飲むことないから。」 「………………飲むんだ。」 いいのかな、ダメなのかな、どっちなんだろう。 そんなことも分からず、渡されたそれをまた一口飲んで。 そうしてまた、君に差し出した。 友人とする普通が、何ひとつも分からない。 きっと、青年は。 本当に、何も知らないだけなのだろう。 (-82) arenda 2022/02/27(Sun) 11:58:38 |
【秘】 美術 エノ → 不運 フカワ肩に頭を置きながら、君の写真を覗き込む。 今と似た顔立ちの、でもやはり少し違う顔。 「微妙な表情してる。」 くすり、と小さく笑う声も、やはり耳元で。 結構かっこいい顔立ちだね、なんて品評を。 「君も同じような気持ちだったなら嬉しいよ。」 「2人で同じ檻に入って、どこにも飛べないまま朽ちるような関係が」 「きっと俺は、好きなんだろうな。」 未来を望まない。その先に何が起こるかわからないから。 最も理解してくれる人が一人現れたら。 そこで全てを終わらせたいと思ってる。 「…………?フカワくん」 「なんか怪我してる?平気?」 俺は、今は大丈夫だよ、冷え性だけどね、と。 今はまだポカポカの指を、君の手に搦めた。 (-85) arenda 2022/02/27(Sun) 12:05:09 |
エノは、外から聞こえる叫び声を聞いて……笑った。剥き出しの心が好きだ。 (a26) arenda 2022/02/27(Sun) 12:40:58 |
【秘】 演劇 アクタ → 美術 エノ「そっか、僕もそれは嫌かも。 僕自身じゃなくて、苗字でちやほやされるのは なんか、虚しいなって……想像して、思った。」 戯れる君が、子供みたいで可愛らしくて 離す時、此方も少し名残惜しくなったけれど。 きっと君は誰に撫でられても、こうして享受するのだろう。 ……そう考えたら、少しだけ、胸の奥がもやもやした。 「時間があってもさ、 多分僕はエノみたいに描けないし 理解されたいとか思っても、誰にも言わないと思う。」 でも君は、伝えてくれた。 今限りだとしても、選んでくれた。 それが羨ましくて、嬉しくて……そんな不思議な気持ち。 「変な奴! でも僕は、エノのこと嫌いじゃない。」 ▽ (-93) osatou 2022/02/27(Sun) 12:42:28 |
【秘】 演劇 アクタ → 美術 エノ「美味いだろ、これ。 朝学校行く時によく買う。 ……午後の、って書いてるけど 午前中に普通に飲んでる。」 突き返すと、また返ってくる。 いつまで続けるんだと苦笑。 それでもまた飲んで、君に差し出した。 「ダメって言うか、 気にしないなら別に良いけど。」 うろうろ。 視線を彷徨わせて。 「だ、だって、ホラ、 ……く、口、付いてる、……し。」 だから何とは言わない。 友人間で意識してる奴みたいで、恥ずかしいからだ。 君に触れる頭の温度が ぶわ、と上昇した。 (-94) osatou 2022/02/27(Sun) 12:44:39 |
【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ「笑い方わからなくて……。 近所の奥さんたちに、もっとシャキッとしなとか……鍛えなさいよとか、言われてました」 檻のなかで朽ちる関係、ああ不思議な響きだ。 「飛びたいって、言わないんだ。 理解したあとも終わりの物語で……。 不思議だ、……でも、しっくりくる」 ふと嫌だと思わなかったのは……これまでの境遇などではなく、 己には帰る場所がないからだった。 本心を告げていないのに、嫌なところだけは噛み合ってしまっていることに、まだ気づいていない。 「ああ、これはバイクで事故を起こして。 大怪我はしてないです、もう一人はしましたけど。 心配、しましたか?」 (-105) toumi_ 2022/02/27(Sun) 13:30:07 |
【秘】 美術 エノ → 演劇 アクタ「言わなきゃ伝わらないからね。」 だから青年は。 できる限り、聞かれたことには素直に、正直に答えようとしている。 聞きたいことも、素直に聞く。 理解が根本にある青年は。 嘘をつかないし、好まない。 もちろん、言わないことだって、ない訳では無いけれど。 「そう、よかった。なんか、嫌われてそうだったから」 「話に来てよかった。」 それは個人への嫌悪というより。 『死を受け入れる者』への理解できない恐怖からだったのかもしれないが。 いずれにせよ、理解が深まり、今は少なくとも嫌われてない。 それは青年のほほを染めるには十分な事だった。 「へぇ、反骨心だね」 午前の紅茶に対する回答。 面白いね、と小さく笑って。 そうして。 君が告げる事に、キョトンとする。 「…………ふっ……」 堪えようとした笑いが、伝わる熱で漏れ出てしまい。 くす、くすと笑う。 そうして、もし叶うなら、そっと顔をずらして。 (-109) arenda 2022/02/27(Sun) 13:51:51 |
【秘】 美術 エノ → 不運 フカワ「確かに、言われてそう。」 「俺もでも、あんまり分からないや、笑い方。」 鍛えたら笑えるようになるのだろうか? 笑いの道も大変なんだな、なんて。 そんなどうでもいいことも、割と考える。 ずっと、翼が動かないことを望んでる。 「人は変わるものだから」 「理解出来ても、時が経てば相手が、あるいは自分が変わって、理解できなくなる。」 「それに比べれば、死は永遠にそのままでいいなって。」 「……カミクズくんが、そんなことを言っててね。納得した。」 「だから、俺もそうなりたいなって。」 あれはどちらかと言えば、自分の言葉を噛み砕いてくれたもので、彼の望みとかでは無かっただろうけど。 兎にも角にも、あぁ、いいな、と思ったのだ。 汽水のような関係がどうしようもなく続いていく。 「心配……うーん」 「やんちゃだなって思った。」 「でも、怪我はあんま無い方が嬉しいかも。」 「寄りかかる時に痛そうだから。」 (-115) arenda 2022/02/27(Sun) 14:03:35 |
【秘】 不運 フカワ → 美術 エノ「絵乃君が笑ってると、……特別なものをみた気分になるような、そんな雰囲気です、よ」 はっきりとはみていない。 柔らかさを感じている気になっているだけだ。 だけど、悪くはないもののように思っているから。 「一番幸せなときに死ねば幸せでいられる、 そういう話と一緒ですかね……? なんだか、嫌です。それがではなくて……。 ……そんな話が綺麗に見えて、そんな話で救われて。 そんな話を目指すのが悪くないと思っていることがです。 たくさん時間があって、未来を夢見て、 多くのものを見に行く旅路がもしあったのなら、俺はみたかったです。この制度がない次代に。 少なくとも、今は求めるような時勢でも心持ちではないので……」 落とし所。 我慢したような言い方で、気になるけれど。 悪くはない言葉ではないだろうか、幸せは自分達で決めるものだ、と。 「……寄りかかられることも考えないと行けませんでしたね。 それなら……いまは。 此方からなら、痛くないので……あの、……どうぞ気にせず来て下さい……」 姿勢をずらして手を引っ張る、胸元へと引き寄せてあなたを受け止める。 食べながらの姿勢で少し無作法ではあるが、どうせこんなところ誰も見ていないし咎めないのだから。ちょっとぐらいなら良いだろう。 (-126) toumi_ 2022/02/27(Sun) 14:36:28 |
【秘】 演劇 アクタ → 美術 エノ「なんで。 僕別に、誰のことも嫌いじゃないけど。」 きょとん、と目を丸めて不思議そうに君を見上げた。 自分の横暴な態度が、生への執着が、『死を受け入れる者』に対して摩擦を生んでいるなんて考える訳もなく 「今、言ったから、伝わったか?」 君を嫌っていないこと。 君の事を少し理解したこと。 君のぬくもりが温かいこと。 今日、行動しなければ、きっと分からないままだった。 だから 「良かった、」 だなんて、柄にもなく、思うのだ。 ▽ (-144) osatou 2022/02/27(Sun) 16:27:31 |
【秘】 演劇 アクタ → 美術 エノ「笑うな………」 男は、初心だった。 この数日、女性に手を取られただけで逃げ出したことすらある。 「良いよ、別に、気にしないなら 僕も気にしないし!」 君が顔をずらすのと同時、 君に預けていた上半身を持ち上げて 真逆を向いてやった。 「残り全部飲んで良いよ! 飲んだら、帰る!」 飲み切るまでは、居るつもりらしい。 (-145) osatou 2022/02/27(Sun) 16:28:04 |
【秘】 美術 エノ → 不運 フカワ「特別感があるんだ。」 「じゃああんまり笑わない方が良いのかも。」 レアものにしようかな、と呟いて。 まぁ、何もせずともレアものだ。 どうにも笑う機会に乏しい。 「そんな感じかな。」 「……まぁ、仕方ないよね、この時代に生まれて、この時代にしか生きられない。」 「空は暗すぎて、飛ぶ気になれないな。」 そんな諦観はきっと、現代の人間全員が少なからず持っているはずで。 だからこそ、それに抗うように3に〇を付けた人を、凄いなと思ったりしたものだ。 何故そうも辛い道を行こうとするのか、理解ができない。 「……おわ……………」 すっぽり、体が倒れて胸元におさまる。 温もりと、鼓動が聞こえる気がする。VRの世界なのに。 …………落ち着く。安心、なのかもしれない。 「……悪くないね………でもこれは……眠くなりそう………」 ちらり、と君を見上げて。 下から見上げた君の顔、君の顔ではないけれど。 また印象が違うように思えた。 (-154) arenda 2022/02/27(Sun) 17:42:58 |
【秘】 美術 エノ → 演劇 アクタ「伝わったよ。」 やはり人と交流するのは良い事だと思った。 少しの理解で、がらりと印象は変わる。 たとえ、明日印が浮かぶのが自分であったとしても。 この交流に時間を割いてよかった、そう思えた。 「でも君は、もう少し態度を正した方が良いと思う。」 あんまりつっけんどんだと狙われちゃうかもよ、なんて。 投票とか、あるいは。 『提供候補になった人を救うために、"臓器提供者"を作りたい人』とかに。 青年は、そんなに初心ではない。少なくとも触れ合いにおいては。 しようとしたことも、誰にでもできる、ただの挨拶の一環だ。 「避けられちゃった。」 くす、くすと、やはり揶揄うように笑う。 照れなくて済むようにしようとしたのに、なんて言いながら。 そうして、残りをくいっと口に運んだ。 「……ご馳走様。」 「ありがとう、アクタ君。話してくれて。」 「君を理解できて、気持ち良かった。」 明日も免れるといいね、と、青年なりの言葉で君を応援して。 そうして、君が帰るのを見送るだろうか。 (-157) arenda 2022/02/27(Sun) 17:50:01 |
【秘】 演劇 アクタ → 美術 エノ図星。う、と声を漏らす。 自分の態度が悪いことぐらいは、理解している。 けれどすぐに正せるものでもなくて、肩を竦めるばかりだった。 「……わかんない。 僕の中の常識、みたいなもの……全然通用しないし 誰も彼も、死ぬのなんて、怖くないみたい。変なの。」 今はまだ、分からないなとぼんやり思うだけ。 狙われたくは──勿論、無いけれど、いかんせん、立ち回りが下手。自覚があるものだから、尚更タチが悪い。 「……え、何。避け……?」 君に笑われて、やっと、WそれWに思い至って、先程よりも顔を赤く染めた。 「う、う……う、うるさい! ぼ、……ぼく………帰る!!」 君が飲み切るのを見守って、立ち上がる。 3日目の、議論が始まる前の事だった。この後君と別れて、各々出廷するのだろう。 去り際、あ、と声を漏らして振り向いて 「明日も……ブラブラしてると思う。多分。 どこにも居なかったら、寮に居るだろうし、 ……………それだけ!!」 何とも人任せだが、君と過ごす時間は心地よかったらしい。 やっぱり最後までひねくれたまま、見送られるまま君の隣から離れていった。 (-167) osatou 2022/02/27(Sun) 18:20:18 |