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【秘】 送迎用 フーグル → 軍事用 リュイ「…………」 送迎用は迷っていた。 今まで話してきた事は本当だ。 ご主人が今も好きだという思いも。 頑張れば、きっとまた元のご主人に戻ってくれると信じたい気持ちも。 ……痛くて、辛かったという想い出も。 全部本当のことだ。 でも迷う。 新しい選択肢。 仲間がいるということ。 知ってしまった自由というものを掴むチャンスになるかもしれないということ。 大きな対価を支払うことにはなるのだから、何年かかっても返さなければならないという事を考慮しても、興味はあって。 「わからない……、今、すごく迷ってる」 今まで、こんなことなかった。 (-0) eve_1224 2023/12/13(Wed) 22:13:01 |
【秘】 軍事用 リュイ → 送迎用 フーグル「分かるよ。ボクも随分迷ってる。 だって今の役目から降りたって何すればいいのってなるし。」 「先のことなんて、何にも考えたことなかったからさ。 だから、絶対嫌だって言えないんだったら、一緒に考えない?」 軍事用も悩んでいる。 考えもしなかった第三の選択肢。 気遣ってくれる仲間。優しさに触れたから。 (-2) pinjicham 2023/12/13(Wed) 22:23:54 |
【秘】 送迎用 フーグル → 軍事用 リュイ「……僕は、送迎用以外の何者にもなれないよ」 そうか、キミも迷ってるのかと。 こんな風に考えるのは自分だけではないことに、少しだけ安堵の表情を浮かべた。 「一緒に、かぁ。 正直なとこ……僕はここで誰かと仲良くなる気はなかったんだ」 人当たりの良い笑顔を浮かべてなんでもやってたから、話す相手も居ないわけではない。 ただ、特別仲の良い相手をみつけてしまったら、帰りづらくなると、そう思っていた。 自分の役割は、皆の盾になることと。訓練を重ねること、ただそれだけだったから。 実際に誰かと深い話はしていない。 こんなに話をしたのは、突然押しかけてきた貴方だけなのだ。 嫌だとは、どうしても思えない。 「ご主人様から離れたら……何も残らないけど、それでも良い?」 (-6) eve_1224 2023/12/14(Thu) 1:13:24 |
【秘】 軍事用 リュイ → 送迎用 フーグル「そんなの、ボクだって同じだよ。 戦場から離れた軍事用に出来る事なんて、何もない。」 真っ直ぐに貴方を見て、軍事用は返す。 己の役割を果たす場所から離れたならば 何もなくなるのは、きっと同じ。 「それでも、生きてていいんだって。 みんなが教えてくれたから。だから、大丈夫。」 「見つけに行こうよ。フーグル。」 貴方に手を差し出して、そうして。 そんなやり取りの後に、イーサンの事があり。 貴方の姿が見えなくなったことに気付いた軍事用は 探しに行くのだろう。 (-11) pinjicham 2023/12/15(Fri) 23:25:14 |
【秘】 送迎用 フーグル → 軍事用 リュイ「そっか……」 同じなんだ、僕たちは。 役割を失っても、グレイ達同士身を寄せて一緒に生きていこうと。 そういう意図は理解できた……と、思う。 それでもまだ困惑する気持ちと、役割を失くす事への不安。 ご主人さまへの想いは消えないけれど。 「……みつけれたら、いいな」 少しだけ、何度か手をつかもうと伸ばしてひっこめるを繰り返して、それから。 困惑したままの手をそっと握った。 それから。 不安定な状態のまま、バグを引き起こせば悪い方の感情が増大するのは必然か。 送迎用はぶつぶつと何かをつぶやきながら娯楽施設から離れないことを、あなたは監査官あたりに聞いたかもしれない。 少なくとも情報を手にそこへ向かえば、レーシングゲームから離れない男の姿を見つけることが出来るだろう。 (-13) eve_1224 2023/12/16(Sat) 0:20:54 |
【秘】 軍事用 リュイ → 送迎用 フーグル「…フーグル?」 監察官に教えて貰って。 娯楽施設のゲームコーナーに、その背を見つけた。 聞いた通り、様子はおかしいのだろう。 貴方の背後まで近寄って、肩を叩こうと手を伸ばした。 (-15) pinjicham 2023/12/16(Sat) 11:07:28 |
【秘】 送迎用 フーグル → 軍事用 リュイ「……リュイ?」 画面に表示されたGameOverの文字に笑みを浮かべたまま。 肩に僅かな重みを感じて振り返れば、あの日部屋を見に来た軍事用が立っている。 気づかなかった。 それほど集中してシミュレーションに集中していたということだ。 集中力が養えたのならそれはいいことではある。 それが事故を起こした原因だったのだから。 「どうしたの。あ、塔でまた何かあった? ごめん行けなくて……僕のやるべき事をおろそかにするべきじゃないと思って……」 ……そのはず、だよな? わずかに感じた違和感はそのままに。 不安そうな目を貴方に向けた。 (-17) eve_1224 2023/12/17(Sun) 0:04:00 |
【秘】 軍事用 リュイ → 送迎用 フーグル「あったはあったけど。もう片付いたよ。 君の方こそどうしたの?ずっとここにいるって聞いたけど。」 不安そうな目を受け止める軍事用の目は 笑みというよりは、貴方を見定めようとするようで。 「やるべき事って、君はボクと一緒に行くんじゃなかったの? それとも…なんか嫌な夢でも見た?」 シミュレーション型の、レーシングゲーム。 ゲームがやるべき事、とは貴方は言わないだろう。 であれば、その中身か。ただ、どうして今、と首を傾げた。 (-18) pinjicham 2023/12/17(Sun) 0:35:47 |
【秘】 送迎用 フーグル → 軍事用 リュイ「や、やっぱり僕は帰らなくちゃ」 「僕の存在意義がなくなって、どうして普通に暮らせるんだ?」 わからない。 困惑が膨れ上がって、正常な判断が下せない。 この状況こそが、事故をこすことになった最大の理由だということに今の送迎用は気づけない。 それは何故か。 ……なんて、バグを起こしているからに他ならないだろう。 「わからない。 なんか……いきなり、すごく怖くなったんだ。 未知の未来に進むことも、訓練をしないことも……今の役割を無くすことも」 全部怖い。 自分が自分でなくなるみたいで。 急にこんな事を言い出すなんて、貴方には不可解でしかないだろうけれど。 (-19) eve_1224 2023/12/17(Sun) 0:55:34 |
【秘】 軍事用 リュイ → 送迎用 フーグル「…そっか。いきなり。」 貴方の様子をじっと観察していた。 呼吸数、瞳の動き、声の様子。 一挙手一投足を、見続けて。 「大丈夫だよ、フーグル。 君は怖い夢を見ているだけなんだ。」 肩に置いた手を滑らせて、その背へとまわす。 貴方を優しく抱きしめようとするだろうか。 「落ち着いて、深呼吸して。 ボクは此処に居るよ。今怖い事は、何もない。」 バグを取り除く術は持っていないけれど 少しでも、その錯乱を落ち着かせることが出来れば。 (-20) pinjicham 2023/12/17(Sun) 1:34:04 |
【秘】 送迎用 フーグル → 軍事用 リュイ「怖い……夢?」 夢とは、どんなものなんだろうか。 人ではないグレイも、夢を見るんだろうか。 僕が思い浮かべる怖い物たちが、現実には起こらない幻ならば……どんなに良いか。 いや、僕は。 「そうか……」 抱きしめられてだんだんと呼吸が落ちついてきたら、少しずつ思い出すものがあった。 「僕は……僕には、あるんだ。 夢 が」なりたいものがあるんだ、と。 回された腕に手を添えて、ぐ……と、押し出すように呟いた。 (-23) eve_1224 2023/12/17(Sun) 19:44:37 |
【秘】 軍事用 リュイ → 送迎用 フーグル「…どんな夢?」 貴方を抱きしめたまま。 静かに問いかけた。 思い出した夢が何なのか。 貴方が、少しでも戻ってきてくれたのか。 確かめるように。 (-25) pinjicham 2023/12/17(Sun) 22:33:38 |
【秘】 送迎用 フーグル → 軍事用 リュイ「……操縦士」 ただの操縦士でなくて。 宇宙船の運転ができるような。 「車も、船も、飛行機も運転できる技術は最初から持ってる。 何だって運転できるし、やったことあるけど……あれだけは……宇宙船だけはまだ、やったことがない」 宇宙船に乗って、空の彼方。 誰も行ったことがない場所に、行ってみたい。 人では行けないところまで、グレイであるこの身体なら行けるかもしれない。 「飛んでいきたいんだ……どこまでも。 そして宇宙からここを、見てみたいな」 良くも悪くも増幅される感情は、無理だと思っていた夢すら触発する。 思いを形にしたUSBは、グレイの心に嘘はつけないんだろう。 (-26) eve_1224 2023/12/17(Sun) 22:48:43 |
【秘】 軍事用 リュイ → 送迎用 フーグル「そっか。 だったらその夢を叶える為にもさ。 此処で燻ってちゃ、駄目だよ。」 ポン、ポン、と背を軽く叩いて。 「行こうよ。一緒に。 悪い夢から覚めて、やりたい事をしに。」 その為なら、自分は貴方を導く燕となろう。 今は居ない大事な子に名付けられたたった一つの名前。 “緑燕(リュイイェン)” の名に恥じぬよう。 (-27) pinjicham 2023/12/17(Sun) 22:55:34 |
【秘】 送迎用 フーグル → 軍事用 リュイ「…………」 良いんだろうか。 送迎用である枠を超えて、夢に手を伸ばしても。 大好きな主人のことが心残りになるのも本当で。 このまま会えなくなったとしても、この夢から覚めてしまっても。 僕は後悔しないんだろうか。 「……何も後悔がない生き方なんて、ないのかもしれないね」 耳の奥に燕のさえずりが響いた気がする。 遠いところへ誘う神秘的なその鳥は、今の貴方に似合いだ。 (-28) eve_1224 2023/12/17(Sun) 23:26:12 |
フーグルは、リュイに「一緒に行くよ」と言って、目を細めて微笑った。 (a0) eve_1224 2023/12/17(Sun) 23:27:24 |
【置】 送迎用 フーグルリュイに導かれて戻った後、送迎用は当然ながらバグを取り除くためのメンテナンスが施された。 情緒不安定な様は一目で見て取れたし、リュイを娯楽施設へと向かわせる辺り、監査官にはどうやら最初からお見通しだったようだ。 「さて……」 リュイの助けでどうやらグレイに買われてしまったらしい自分は、送迎用としての仕事は失ってしまったようだ。 グレイに……というのは他人行儀な話だが、結局リュイに買われたのか、バンドッグに買われたのか、いまいち理解していない。 後でちゃんと整理して、どうにか稼いで彼らに金は返さなければならないだろう。 これから保護施設に身を寄せる事となるが、その後の事はどうなるのかよくはわからない。 ただ、夢を叶えていこうとする自由があるようだから、僕はたった一つの、宇宙への夢を追いかけようと思っている。 大事な宇宙船の形をしたUSBを手にそうっと、これから後にする塔を見上げた。 ▼ (L4) eve_1224 2023/12/18(Mon) 20:27:03 公開: 2023/12/18(Mon) 20:30:00 |
【置】 送迎用 フーグル――正直。 僕には何が正しくて、何が間違っているのかよくわからない。 人間の手から離れてしまっているとしても、僕を構成しているこの身体も、感情も、流れる涙とて全てが人間が作ったものだ。 それを紛い物と呼ぶ者はいるだろうし、新しい生命として受け入れる者だっているのだろう。 自分にとってそれは、どちらでも構わない。 大事なのは。 これから歩む先の事は、全て自分で決めていくということ。 夢も感情もすべてが、自分のものであるということだ。 それだけで十分。 それがあれば僕という個体は幸せで、救われている。 それは世界にとって不平等かもしれないけれど、助けられたグレイは恩を忘れないから。 そうして差し伸べる手が増えていけば、ゆっくりと世界の認識は変わっていくのだろう。 長い時間がかかるかもしれないが、いつかそうなることを願いたいと思う。 ▼ (L5) eve_1224 2023/12/18(Mon) 20:28:09 公開: 2023/12/18(Mon) 20:30:00 |
【置】 送迎用 フーグル「……そろそろ行かなくちゃいけないね」 新しい僕の居場所はどんなところだろう。 どんな仲間が居るんだろう。 一緒に行くことになる友人たちが居れば、どこだって大丈夫だと思うけれど。 まぁ、きっとこの送迎用はいつだって。 いつもの笑みを浮かべて、のらりくらりと生きていくのだ。 ―――ちなみに。 この送迎用は頃合いを見て、一度元主人のもとへ訪れたらしい。 最後の挨拶をしないのは心苦しいと思っていたようで、リュイには心配をかけたかもしれないし着いてきてもらったかもしれないが、とにかくしっかりと対面したようだ。 その時の様子は、その場に居た者にしかわからない。 ただ……訪れたあとの元送迎用は、憑き物が落ちたかのような……晴れ晴れとした笑みを浮かべていた。 (L6) eve_1224 2023/12/18(Mon) 20:29:03 公開: 2023/12/18(Mon) 20:30:00 |