【人】 XII『吊された男』 ユグ――先生と―― ……あなたの身体のことは知っています、が。 それでも、そんなこと言わないで下さい。 [>>2:404頭でも打っていたかもしれない、なんて。 ジョークでも聞きたくなかった。笑い声すら、今は心配に変わる。 不安にでも押しつぶされそうな顔をしていただろうか。 倒れた方のはずの人から頭を撫でられて>>2:405、余計に胸がぎゅっとした。] (21) mmsk 2022/12/18(Sun) 0:51:04 |
【人】 XII『吊された男』 ユグお立ちになれ、ますか。 気分が悪いようなら、アリアを呼んできます。 悠長な話――は、その後にしましょう。 話は、したかったんです。 [崩壊を背後にしたって、不安はあるが紅茶は飲める。 焦ったところで答えを聞く人はここにはおらず。 僕らの手だけで崩壊を止めることも出来ない。 一週間前の紅茶は、まだあったろうか。 他愛なく悠長な話、をするためでいいから、まずは支えている先生に回復してもらいたくて、必死に声をかけ続ける。] (22) mmsk 2022/12/18(Sun) 0:51:14 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ (23) mmsk 2022/12/18(Sun) 0:51:29 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ――失われる意識―― 死なないからと言って、無理をしていいわけでも、心配する必要がないわけでもありません。 死なないだけで、ご気分は悪いのでしょう。 [>>42こちらも心はわからない。 だから、なお撫でてくれる手を、僕に心配かけさせまいとしているように感じて、なおさら険しい心地になった。 お願いだから、無理だけはしないでほしい。 そう頭の中で何度繰り返しても、あなたには届かず。 意識を遠くに手放す様子>>43に、世界の崩壊よりも僕の胸は騒いでいる。] (44) mmsk 2022/12/18(Sun) 1:49:55 |
【教】 XII『吊された男』 ユグあなたが穏やかに生きていれば、それだけで幸せだと思います。 僕も、皆も。 充分、助けられていますから。あなたがいて。 [>>2:/8あなたの名前に『死』の文字が含まれていても。 あなたは『死』そのものではないと、『死神』を慕っていた『吊るされた男』は感じていた。 あまり生きることがうまくなかった『吊るされた男』は、気がつけば『死神』のそばにいることが増えていて。 申し訳なさはあってもどこか嬉しく、心を寄せていたから、何も憂うことはなく、充分幸せを得ていると思えた。] (/25) mmsk 2022/12/18(Sun) 3:50:46 |
【教】 XII『吊された男』 ユグどうして、そんな事を言うのですか。 あなたが幸せを運べていないとしたら、僕なんてもっと、何も出来ていませんよ。 [僕こそ、もらったものを、誰かに返せている気がしないのに。 人を気にかけ手を焼いてくれるあなたが、ひとをしあわせにしていないなど、あるはずがないのに。] (/26) mmsk 2022/12/18(Sun) 3:58:01 |
XII『吊された男』 ユグは、メモを貼った。 (a17) mmsk 2022/12/18(Sun) 4:36:09 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ[>>23>>45一体誰が、手を貸してくれたか。 先生を運び込んで少し落ち着いたなら、その協力者に今の思いを聞いたろう。 世界の崩壊と箱庭の創造、どちらを選ぶのか。 世界に守りたい人はいるか。 どちらの結論に至ったほうが、意見がまとまりやすいか。 もらえた答えがなんであっても、ユグはいったんすべてを受け止め、聞き入れるつもりでいた。 それがあなたの答えなら、尊重したいと言いながら。 そうして、今まで得た答えたちと照らし合わせながら、思い悩み。] (117) mmsk 2022/12/18(Sun) 19:27:05 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ……先生。お目覚めになられたらアリアに診ていただけるように、話をつけておきますね。 少しの間、失礼します。 [眠る師の顔にそう告げて、そばを離れる。 薬草園にいる、と思っていたから、思わぬ不在にやや走り回ることにはなったかもしれないが>>2:126。 それはまた、時として誰かの話を聞くきっかけになったかもしれない。] (119) mmsk 2022/12/18(Sun) 19:28:00 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ[そうして、静かに寝息だけが満ちる部屋にまた、戻り。 先生の傍に椅子を引き腰掛けて、寝顔にゆっくりと、語りかける。] ……先生、僕は、もうわからないのです。 (120) mmsk 2022/12/18(Sun) 19:28:42 |
【人】 XII『吊された男』 ユグかみさまのおそばにあるために、かみさまの喜ぶ顔を見るために、いつか箱庭に行くのだと思っていたのです。 それは証持ちの魂の望みなのだと思っていました。僕の中の大きな望みでもありました。 皆が穏やかに暮らせる環境を維持し続ければ、その日がやってきたとき、皆喜んで新たな箱庭に行けるのだと。 今朝『世界』がやってきたとき、僕は心底喜んで、すぐにも箱庭へ、と思い回答しました。 皆、そうなると思っていました。 (121) mmsk 2022/12/18(Sun) 19:29:14 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ――でも、考えてみればおかしな話なんです。 僕らは前世の箱庭の子ではないから、同じ過ちを繰り返さず、先人に学んで、新しい暮らしを作れると言うくせに。 昔の約束を守って、証持ちなのだから箱庭に行くことが幸福だなんて。 それぞれ違う人だと言いながら。 そんなはずないのに、わからなかった。 僕には、それしかなかったから。 [ただ、いつか幸福な暮らしが待っているのだと信じて、それだけのために生きてきた。 そこに自我などなく、守るべき地上の暮らしなどなく。 『吊るされた男』の魂に刻まれたままに、滅私奉仕の精神だけで、ここにいる。] (122) mmsk 2022/12/18(Sun) 19:30:53 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ先生。 僕は……あのひとの代わりであろうと思っていました。 ここにいる証持ちたちを愛し、慈しみ、ときに不和を解消し、整え、守り、救いになりたいと思っていました。 そうして、あのひとを待っていればいずれ――と。 きっと、そのために僕のことを避けているような人も、いたかもしれません。 ゼロなんかは、特に。きっと僕が『吊るされた男』でなかったとしても、僕らは仲を違えていました。 [それは、先程の会話でも強く実感した。 そして、あの会話はある意味大きく、ユグの価値観を変えた。] (123) mmsk 2022/12/18(Sun) 19:31:36 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ……でも、ねえ、先生。 僕は、あのひとの愛が届かないから、代わりに皆を愛しているのとは、違ったのです。 僕は―― [ゆっくりと、話しながら。 知らぬ間に自分自身も疲れが溜まっていたのか、うつらうつらと船を漕ぎ。 寝顔に語っていた告白は、いつしかもうひとつの寝息に消える。消えてしまう。] (124) mmsk 2022/12/18(Sun) 19:32:08 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ先生。 僕は、この洋館にいる皆が、好きなのです。 その人がたとえ、僕を厭わしく思っていたとしても。 僕の知らない穏やかな世界をくれた皆が、ここの生活が、皆の声が、ときどき小さないざこざがあっても、それぞれ生きて、どこかで笑って。 そんな今の証持ちの皆が、好ましいのです。 (125) mmsk 2022/12/18(Sun) 19:33:15 |
【人】 XII『吊された男』 ユグもちろん、いざこざがない方がより素晴らしい、と思いますが。 そうあれるのならば、何よりいいとは思うのですが。 それは抑圧された仮初で、自由ではなく、よって幸福ではなく、疎ましくいずれ綻びるというのならば、もう。 あのひとの言う幸せをなぞらなくともよい、とすら思うのです。 きっとこれは、僕のはじめて得た自我なのでしょう。 (126) mmsk 2022/12/18(Sun) 19:34:19 |
【人】 XII『吊された男』 ユグけれど、もう、時間がないのです。 僕らの考えは、ひとつにはまとまらない。 まとめることは出来ないのなら。 僕の大切な証持ちが、いちばん悲しまない答えは、何なのでしょうか―― (127) mmsk 2022/12/18(Sun) 19:35:02 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ[寝台の縁、両腕を枕に眠っているユグを起こしたのは、あたたかな手のひらだった>>67。 ゆっくりと意識を浮上させて、はっと目を見開く。] ――! すみません、先生。 お目覚めですか。アリアに話をつけてあります、呼びに―― [早口でまくし立てかけて、まだ手のひらが髪を撫ぜているなら、飲み込む。] (129) mmsk 2022/12/18(Sun) 19:36:26 |
【人】 XII『吊された男』 ユグいえ、時間は、よいのです。 考える時間は、たくさん得られました。 先生こそ、お加減は大丈夫ですか。 [刻限の日に。 なってしまった。答えを出さないといけない。 今頃世界は、もっと滅びに近づいているのかもしれない。 時間のなさにやや表情を曇らせるも、ゆるく振り払い。] (130) mmsk 2022/12/18(Sun) 19:37:14 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ……はい。先生のお話も、聞かせて下さい。 献立の話でも、構いませんが。 よろしければ、今のお気持ちを聞けたら、もっと。 [いろいろな人の話を聞きもしたけれど、まだ足りているとは言いづらく。 何よりも皆の顔を見たいと思っていたのもあり。 先生が謝罪の旅、ないしその他証持ちと話をしたり茶を傾けたりと時間を過ごそうとするならば、まるでいつかの痩せこけた子がずっとそうしていた日のように、ぴったりと傍を離れずに、ついて回ろうとするだろう**] (131) mmsk 2022/12/18(Sun) 19:37:29 |
XII『吊された男』 ユグは、メモを貼った。 (a33) mmsk 2022/12/18(Sun) 19:43:45 |
XII『吊された男』 ユグは、メモを貼った。 (a34) mmsk 2022/12/18(Sun) 19:44:11 |
【独】 XII『吊された男』 ユグ/* 絡まってもいいかな〜と思うのだが 僕は連投壁なので多分この エトの間に わーっと長いのが ……いっかな? (-94) mmsk 2022/12/19(Mon) 1:39:00 |