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人狼物語 三日月国


234 【身内】不平等倫理のグレイコード-0010-【R18G】

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視点:


【赤】 歌唱用 シングソン

フーグル! 今日がお前の命日だ!
arenda 2023/12/07(Thu) 22:00:00

【秘】 歌唱用 シングソン → 教育用 ロベル

「………?」

電子メール、送り主には覚えがある。
中身に目を通し。

「………………。」

本当に話を通してくれていたとは。
何か礼を……いや、会話が礼になるのだろうか。
歌唱用は、人間の事は嫌いだ。
信じようとは思えない。
でも、君の善意と、君が信じたものくらいは
信じてみようかと思った。

「………………。」

さてしかし、希望に基づいたと言われると逆に悩む。
己の理想の意思疎通ツール。
一体どんなのがいいだろうか。
歌唱用は暫く、しばらく悩んで。

……最終的にインカム型のものを監察官に頼みに行くだろう。
マイク部分から音声が出るような仕組みだ。
(-3) arenda 2023/12/07(Thu) 22:45:42

【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

蜂蜜入りの飲み物に口をつける。
チクチクとしたのどの痛みが緩和されていく。
首に巻かれた包帯越しのそれは、黒く焦げていて。
人間に近く作られているグレイが、自ら焼き鏝で
喉を焼く痛みは、きっと想像を絶するものだっただろう。
でも、それを自ら選ぶくらいに歌唱用は。
心の痛みの方に、耐えられなかった。

「………?」

素面で、の言葉にはきょとんとしながら頷く。
歌唱用は真面目で、あまり嘘を吐かないタイプだ。
君のことを本当に素敵な女性だと思っている。
それが広く浅い感情なのか、それとも君個人への
深い感情なのかはわからないけれど。

『歌は』

好きじゃない、と書こうとして筆が止まった。
視線を落として、真っ直ぐ紙を見つめている。
君の想像は、ほぼ正しい。
最初は歌えていた、ちゃんと。
もっと歌いたいと思っていた。

『良い歌だった。』
『心の底から出るような言葉を歌詞にして』
『たまたま口ずさんだ鼻歌を旋律にして』
『一つ曲ができる度に笑って』
『数字なんてどうでも
くて』
(-41) arenda 2023/12/09(Sat) 11:01:06

【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

『曲を作る
が楽しかった。』
『歌
歌う事が好
だった。』
『主と最高の曲が出来た
労う時間が心地よかった』
分だけの歌を歌う事が
りだった。』
『歌が』『
すき


ぽた、ぽた。
書き記していく言葉が、零れた雫で滲んでいく。
文字自体も段々歪んでいく。
今歌唱用のストレス値が測定できるなら、
きっと随分と高くなってしまっている事だろう。
在りし日の、理想の日々と今とのギャップに、息が苦しくなる。

「……歌い…………た………い………」


この喉では、もう叶える事もできやしない。
(-42) arenda 2023/12/09(Sat) 11:07:50

【秘】 歌唱用 シングソン → 軍事用 リュイ

「…それ…………役割……から………?」


軍事用という役割を持つから、そう思うのだろうか。
どこかで壊れたら本望なんて、自分には思えない。
こうして自分の喉を自分で壊したって。
歌唱用には、"壊れていい"なんて感情は存在しなかった。

「……やりたいこ…………みつかっ………いい」
「自由に…………叶えて………」


君がその本望を本望と思わなくなるくらいの、
何かやりたい事が、夢が、希望が見つかればいいと思った。
自分に何かしてあげられる事があるならしてあげたい。
でも、喉が壊れた歌唱用に出来る事なんて、なにもない。
ただ、壊れないでほしいと願うくらいしか。

「……歌えな……歌唱よ………行き場は………」
「……そもそ………廃棄………ありえ………」


最後の問いには首を横に振った。
逃げる場所はない、逃げた先で生きる術もない。
そもそもこの塔でストレス値がさがらないのなら、
主は自分を廃棄するかもしれない。
歌えないうえに反抗的なグレイなんて、所持する理由がないからだ。
……そして今の所、ストレス値は1回も下がっていない。
緩やかに死んでいるのだ。この塔に来てからずっと。
(-43) arenda 2023/12/09(Sat) 11:20:50

【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

こんな事なら、人に近くなんて生まれたくなかった。
ただの道具であったなら。
心のない、歌を出力するだけの装置なら。
何も苦しまずに済んだのに。

「…う…………ぅぅ………」


歌唱用のどうしようもなく聞き苦しい泣き声うたは。
どこまでも感情の乗ったそれは。
良くも悪くも、他人の心を動かすものであった。
良い音楽を聴いて、鳥肌や涙が出るのと同じように。

君の腕の中でしばし、声を押し殺して泣く。
ただ、ただ、その胸元を揺らす。
何がダメだったんだろう。
どうすればよかったんだろう。
俺は何を間違えたんだろう。
そんな事を呟き続けながら。




「……歌………くれ………」
「なんで………いいから………」


ようやく、嗚咽が収まってきた頃。
久々に歌が聞きたいから歌ってくれ、と。
ぽそり、我儘を呟いた。
(-49) arenda 2023/12/09(Sat) 21:04:44