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人狼物語 三日月国


234 【身内】不平等倫理のグレイコード-0010-【R18G】

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視点:


【赤】 歌唱用 シングソン

フーグル! 今日がお前の命日だ!
arenda 2023/12/07(Thu) 22:00:00

【秘】 教育用 ロベル → 歌唱用 シングソン

貴方の部屋に、一つの電子メモ。
だいぶ前に話したことに対する返信。

『先日、監察官に機器の話をさせていただきました。
 貴方の希望に基づき、コミュニケーションツールを用意してくださるそうです。

 私は、彼の事を信じようと思います。
 
 貴方がそれで大丈夫だと、言ってくださるのなら』

『貴方の言葉を、是非聞かせてくださいね』

/* 監察官との秘話の結果、好きな形状で取り寄せる事が出来るとのことでした。
ロールに活かすことが出来ればと思います、遅くなってすみません……!
(-2) otomizu 2023/12/07(Thu) 22:13:01

【秘】 歌唱用 シングソン → 教育用 ロベル

「………?」

電子メール、送り主には覚えがある。
中身に目を通し。

「………………。」

本当に話を通してくれていたとは。
何か礼を……いや、会話が礼になるのだろうか。
歌唱用は、人間の事は嫌いだ。
信じようとは思えない。
でも、君の善意と、君が信じたものくらいは
信じてみようかと思った。

「………………。」

さてしかし、希望に基づいたと言われると逆に悩む。
己の理想の意思疎通ツール。
一体どんなのがいいだろうか。
歌唱用は暫く、しばらく悩んで。

……最終的にインカム型のものを監察官に頼みに行くだろう。
マイク部分から音声が出るような仕組みだ。
(-3) arenda 2023/12/07(Thu) 22:45:42

【秘】 点燈用 トムラビ → 歌唱用 シングソン

喋らせ過ぎましたかネ、と思いながら紙を眺めて、
少し悲しげな顔を見せて。

「喉ヲ……自ラ?……そウ、でしたカ」

余計なお世話だったカ。思いながらも、
やっと立ち上がり衝立の奥へ。ハチミツ入りの、
喉を気遣うドリンクを貴方の前に置いた。
娯楽施設で買ったものでス、と説明して、二枚目の紙を見た。

「……シングソン、それ素面で言っテ……
 書いテ?いるのですカ?……だとしたラ、
 なんというカ、まア、凄いでス……」

咳払いをひとつ。反応からして、照れているよう。
しかしそれより、今は走り書きの方に。

「……やはり歌、好きなのですネ。
 ああいエ、私がそう感じただけですガ……
 貴方の歌いたい歌、カ」

名誉に、金。始めはそうじゃなかった。
昔は、好きに歌えていたのだろう。
それが主人が「成功」を掴んで、変わってしまった、
そのような流れを想像し、ため息をついた。

「誰も彼モ、本当ニ……儘ならなイ」

どうしてこんなにも、苦境と言うものが溢れているのだろう。
ふつふつと、電子の心の奥底で何かが沸き上がるのを感じた。
(-19) shell_memoria 2023/12/08(Fri) 6:49:25

【秘】 軍事用 リュイ → 歌唱用 シングソン

「このままだと、戦場へ戻って。
また仕事で使われるんじゃないかな。」

「戦争はどこでだってあるんだから。
それで壊れられたなら、ボクは本望だよ。」

まあでも、と続けた。

「そうでなかったら。
何か、ボクが変わりたいと思う事があったら。
その時は違う道を行くのかもね。」

「君はどう?
歌いたくなくなったから喉を潰したんだよねぇ。
逃げるとか、考えたりしない?」
(-23) pinjicham 2023/12/08(Fri) 10:03:49

【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

蜂蜜入りの飲み物に口をつける。
チクチクとしたのどの痛みが緩和されていく。
首に巻かれた包帯越しのそれは、黒く焦げていて。
人間に近く作られているグレイが、自ら焼き鏝で
喉を焼く痛みは、きっと想像を絶するものだっただろう。
でも、それを自ら選ぶくらいに歌唱用は。
心の痛みの方に、耐えられなかった。

「………?」

素面で、の言葉にはきょとんとしながら頷く。
歌唱用は真面目で、あまり嘘を吐かないタイプだ。
君のことを本当に素敵な女性だと思っている。
それが広く浅い感情なのか、それとも君個人への
深い感情なのかはわからないけれど。

『歌は』

好きじゃない、と書こうとして筆が止まった。
視線を落として、真っ直ぐ紙を見つめている。
君の想像は、ほぼ正しい。
最初は歌えていた、ちゃんと。
もっと歌いたいと思っていた。

『良い歌だった。』
『心の底から出るような言葉を歌詞にして』
『たまたま口ずさんだ鼻歌を旋律にして』
『一つ曲ができる度に笑って』
『数字なんてどうでも
くて』
(-41) arenda 2023/12/09(Sat) 11:01:06

【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

『曲を作る
が楽しかった。』
『歌
歌う事が好
だった。』
『主と最高の曲が出来た
労う時間が心地よかった』
分だけの歌を歌う事が
りだった。』
『歌が』『
すき


ぽた、ぽた。
書き記していく言葉が、零れた雫で滲んでいく。
文字自体も段々歪んでいく。
今歌唱用のストレス値が測定できるなら、
きっと随分と高くなってしまっている事だろう。
在りし日の、理想の日々と今とのギャップに、息が苦しくなる。

「……歌い…………た………い………」


この喉では、もう叶える事もできやしない。
(-42) arenda 2023/12/09(Sat) 11:07:50

【秘】 歌唱用 シングソン → 軍事用 リュイ

「…それ…………役割……から………?」


軍事用という役割を持つから、そう思うのだろうか。
どこかで壊れたら本望なんて、自分には思えない。
こうして自分の喉を自分で壊したって。
歌唱用には、"壊れていい"なんて感情は存在しなかった。

「……やりたいこ…………みつかっ………いい」
「自由に…………叶えて………」


君がその本望を本望と思わなくなるくらいの、
何かやりたい事が、夢が、希望が見つかればいいと思った。
自分に何かしてあげられる事があるならしてあげたい。
でも、喉が壊れた歌唱用に出来る事なんて、なにもない。
ただ、壊れないでほしいと願うくらいしか。

「……歌えな……歌唱よ………行き場は………」
「……そもそ………廃棄………ありえ………」


最後の問いには首を横に振った。
逃げる場所はない、逃げた先で生きる術もない。
そもそもこの塔でストレス値がさがらないのなら、
主は自分を廃棄するかもしれない。
歌えないうえに反抗的なグレイなんて、所持する理由がないからだ。
……そして今の所、ストレス値は1回も下がっていない。
緩やかに死んでいるのだ。この塔に来てからずっと。
(-43) arenda 2023/12/09(Sat) 11:20:50

【秘】 点燈用 トムラビ → 歌唱用 シングソン

「……貴方も大概ですねエ……
 バンドッグとはまた別方向で心配でス……」

喉を癒す貴方を眺めながら呟いた。
それから、止まった筆を見て、
視線を紙からあなたに移す。そしてまた紙へと。

「…………」

歪み、滲む文字を追う。雫の元へ視線が動く。
貴方の願いを聞いて、こころが、いたい――。
その瞬間、電脳の奥底で何かバグが弾けた。
(-45) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 18:04:57

【秘】 点燈用 トムラビ → 歌唱用 シングソン

「シングソン」

気が付くと、貴方の名を呼んでいた。
気が付くと、貴方を両の腕で抱いていた。
気が付くと、貴方の髪を指先で撫でていた。

外装も、機能も、尊厳も、権利も、
その全てを弄られ、変えられてきた点燈用が、
ずっと大切に抱いていたものが。
記憶が、こころが、酷くざわめいて仕方がない。

暗闇に灯を。誰かに希望を。手の届く貴方に、助けを。
ずっと昔、自身の点燈作業に付き添っていたヒトが、
落盤に巻き込まれそうになった際、咄嗟に庇った時から。
あの日、機能ではなく、こころがそう叫んだ時から。

「私ハ、あなた誰かを助けたイ」

そこにいた感情が、増幅されて噴き出した。
ほんの少しでも、それが死の寸前にある仄かな灯でも。
暗闇の中に燈される、確かな灯りでありたい。

点燈用は、貴方を抱き、撫でる。自分自身を助けられない今、
貴方をどうにかする事は出来ない今、これが精一杯の灯だ。
(-46) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 18:14:03

【秘】 歌唱用 シングソン → 点燈用 トムラビ

こんな事なら、人に近くなんて生まれたくなかった。
ただの道具であったなら。
心のない、歌を出力するだけの装置なら。
何も苦しまずに済んだのに。

「…う…………ぅぅ………」


歌唱用のどうしようもなく聞き苦しい泣き声うたは。
どこまでも感情の乗ったそれは。
良くも悪くも、他人の心を動かすものであった。
良い音楽を聴いて、鳥肌や涙が出るのと同じように。

君の腕の中でしばし、声を押し殺して泣く。
ただ、ただ、その胸元を揺らす。
何がダメだったんだろう。
どうすればよかったんだろう。
俺は何を間違えたんだろう。
そんな事を呟き続けながら。




「……歌………くれ………」
「なんで………いいから………」


ようやく、嗚咽が収まってきた頃。
久々に歌が聞きたいから歌ってくれ、と。
ぽそり、我儘を呟いた。
(-49) arenda 2023/12/09(Sat) 21:04:44

【秘】 点燈用 トムラビ → 歌唱用 シングソン

繰り返し、繰り返し、貴方の頭を、背を撫でる。
幾つもの雫が薄い衣に吸い込まれていく。
貴方が呟く度、こころが悲鳴をあげる。

「貴方ハ……貴方ハ、きっと間違っていないのでス。
 恐らくハ、貴方の主モ……そうであって欲しク、思いまス。
 ただ少し踏み外しただケ……そこから戻れるかハ、
 私にはわかりませんガ……」

貴方の主が、最初の頃を思い出して、貴方と同じように
感じてくれるのならば、心は元の道に戻れるのだろう。
人間とて、全ての記憶や心を捨てる訳ではないはずだから。
それでももし、心すら元に戻れないのなら。
貴方を責め、苦しめ、或いは捨てたり、
人間に近しいという事を利用して点燈用のように扱うのなら。
きっとこの点燈用は何が何でも貴方を助けに行くだろう。
貴方が私にそうしてくれたようニ。
(-55) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 22:20:40

【秘】 点燈用 トムラビ → 歌唱用 シングソン

「……声帯との接続部位も変わっテ、
 発音が妙になった私に歌えとハ。
 貴方の我儘も中々ですネ、シングソン」

嗚咽が収まるまでそうしていたように、
収まってもまだ、貴方を抱き、背と頭を撫で続ける。
微笑んで、命令ではなく……頼みを聞いた。

「古い歌しか知りませんシ、発音が悪いのは勘弁ですヨ」

そう前置きして。

「...Sing, sing a song...」

貴方を呼ぶように、囁くように、口遊む。

Sing, singsong歌いましょウ、シングソン
Make it simple to last your whole life long気楽に歌えばいいのでス、ずっと続けられるようニ
Don't worry that it's lost your voice for anyone else to hear聞かせる声がないなんテ、気にしなくてモ、いいじゃないですカ
Just sing,sing a song歌えるんですヨ、私達ハ


貴方が声を出せなくても、貴方のきもちうたは届いたのだから。
本来の歌とは、少しだけ歌詞を変えて歌い。
そのあと貴方の背中を、歌のリズムでつついてみせる。
とん、ととととん、とん、ととととん。
喉への負担の少ないハミングをしながら、指先で歌って。
御一緒にいかガ?なんて言いながら、また貴方を撫でた。
きっとそれは貴方の求めている答えとは違うのだろうけど、
それでも灯のひとつとして。ハミングを続けるだろう。
(-58) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 23:01:09