［　実は夏休みに入っていて、補習を1つだけ受けていた。

　　本当に成績が悪かったら多分補習で
　　ぼーっと見つめているなんてことはしない。
　　必死になって授業を聞いていたと思う。
　　好きな人が他の女と個室で2人になる可能性を避けたくて、
　　補習を受けるくらいの成績にわざわざ落とした。
　　結果としては補習を受ける人数が2以上だったので、
　　大人しく話を聞いて過ごしていた。

　　黒板に字を書く姿も、時折メガネをくいっとする姿も
　　どれを取ってみても素敵な人の授業を
　　追加で受けられるなら案外補習も悪いない。
　　　］

　　ありが、………

　　成績が良くなかったから、ですよ？
　　授業聞いてるだけじゃわからなくて。
　　それに、レポートも出さなきゃだから……


［　他の2人のように教室を出ようと思ったら
　　声をかけられて胸が高鳴る。
　　蒸し暑いので胸が蒸れるのを防止するため
　　補習の時間はずっとハンディファンを机に立てて、
　　ブラウスのボタンを2つほど開けていた。
　　それを補習が終わった後も正すことはせずに、
　　持ち帰るために腕に抱えていた教科書とノートを
　　声をかけられた際にぐっと胸に寄せて、
　　視線をそちらに向けてみようと試みた。　　］

　　

［　しっかりと谷間が見えるように、
　　他の先生たちに言われないギリギリのサイズで
　　補習を受けに来ているなんて知られたら、
　　もっと目の前の先生に生徒指導をされるかもしれない。

　　小さなちいさな望みを胸に秘めながら、
　　レポート、といって四つ折りにした紙を1枚手渡す。
　　寝ながら真剣に、その時間を思い出して書き連ねた、
　　相手を隠した情事の話。
　　提出した場合受け取られなかったことはなく、
　　それに合わせての指導が入るのは、
　　実のところもう何ヶ月も前からやっていること。　　］

　　私、バッグそこに置いてるので片付けますね。


［　レポートのようにしてくれるかは定かではないけれど、
　　いつも着ているサマーニットは先生の時だけ脱いでいる。
　　指摘をされたことがあるわけではないけれど、
　　ブラウスをきちんとスカートにインした状態で
　　ボタンを2つほど外しているので
　　目に毒と思われているかもしれない。　］

［　そんなことをぽつりと呟きながら、
　　手に持っていた教科書たちを片付けてしまうのだけど。
　　先生の授業は聞いていてもみていても楽しいので
　　毎日だって受けたくなるのに、
　　どうして他の授業は違うのだろう。
　　スカートはあまり上げすぎずに膝上10センチくらい。
　　元々そんなに長くないスカートではあるんだけど。
　　レポート、短いし片付けてる間に読まれたかな。

　　今日の下着は可愛いですよ。　］*