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人狼物語 三日月国


79 【身内】初めてを溟渤の片隅に【R18】

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到着: 雨宮 健斗

【人】 雨宮 健斗


[ は、と気付けば机に突っ伏したまま寝落ちて
いたらしく、スマホの時計はAM3:00という
恐ろしい時間を表示している。

やべえ、と呟いて身体を起こせば
分厚いコンクリートに囲まれた防音室は
静寂が耳に痛い。

固まった身体を伸ばして息を吸う。
生理的な耳鳴りが聞こえる。 ]
 
(2) yukiyukiyuki 2021/06/17(Thu) 19:42:41

【人】 雨宮 健斗


   ─── 耳音響放射、だっけ。


[ 単調な音が不快な夜更け。
やりかけの課題を雑多に纏めながらスマホを弄る。
この時間にでも癒してくれる音はFMにあって、
アプリを立ち上げれば柔らかな声が鼓膜を撫でた。]


   『みなさんこんばんは、いい夜ですね。』
 
(3) yukiyukiyuki 2021/06/17(Thu) 19:44:29

【人】 雨宮 健斗


[ ごくごく小さな音に設定しているスマホから、
しっとりしたジャズのメロディ。
とん、とん、とひとりでに動く指。
主旋律を拾ってばかりだった耳がいつのまにか
太く柔い低音を追うようになっていることに
ふと、気付く。
うは、と笑って。 ]


   ─── 顔見てェな。


[ 閉まっていた蓋を開けて。
そっと、鍵盤に指を乗せる。
ピアノ弾きの端くれの自分から見ても羨ましく思う、
その手を思う。

触れたい
なんて、
夜更けにはやけに素直。 ]
 
(4) yukiyukiyuki 2021/06/17(Thu) 19:46:26

【人】 雨宮 健斗


***

   『おつかれ。今日って練習?
    メシ食わねぇ?』


[ 滅法朝に弱い恋人が、どうにか目覚めているであろう
時間を待って、
待った割には愛想のないメッセージを送った。

夜更けには素直だったからと言って
顔が見てぇとか会いたいだとかなんとか、
思ってる通りの可愛いことはなかなか
口には出しづらい。

まぁ言ったところでまじまじと、
熱でもあるんじゃね?と返されそうな気は
しないでもない。]
 
(5) yukiyukiyuki 2021/06/17(Thu) 19:47:51

【人】 雨宮 健斗


[ 高校時代の親友、という肩書きが
恋人、に昇格して暫し。

超がつくほど過保護な母親が用意したマンションで
送る大学生活は、まぁわりに慌ただしい。

酷使を余儀なくされる左手はガチガチに
強張っていて推定握力5程度。
いででで、と唸りながら反対の手でぐにぐにと
押して解して。
ちょっと考えてメッセージを付け足せば、
さて返信はあっただろうか。 ]


   『会えるんならそっち向いて出てくし、
    うちでもいいなら今日小夜子(母)が
    持ってきたカレーがある。』 *
 
(6) yukiyukiyuki 2021/06/17(Thu) 19:49:30

【独】 雨宮 健斗

/*
はーーーーーだめだ
毎回のことですけどプロで死ぬ
プロどころじゃねぇ初手で死ぬ
(-1) yukiyukiyuki 2021/06/17(Thu) 21:52:45

【独】 雨宮 健斗

/*
ろるを何回も読んで噛み締めてを繰り返すからすすみません

は!
ななとさんこのたびはほんとなはありがとうございます
わたしの夢を叶えてくださって
村まで建ててしまったよ
杏さんも、色々支えてくれてありがとうございました
よろしくお願いします
(-2) yukiyukiyuki 2021/06/17(Thu) 21:57:36

【人】 雨宮 健斗


[ 思っていたよりずっと早くスマホが震えた。

自分はすっ飛ばした挨拶が、短くもきちんと並ぶ。
『おはよ』の三文字に唇の端が上がった。

今日は休み、と続くメッセージ。
高校時代から続いている彼のバンド。
ライブがあるとか近いとかそんな話があれば
聞いていたかも知れないから、
うまく休みが合ったことがラッキーで、

嬉しいと思った。 ]
 
(15) yukiyukiyuki 2021/06/17(Thu) 22:51:19

【人】 雨宮 健斗


[ 小夜子のカレーに寄せてくれた好意と
付随する回答にまた表情が緩む。 


わかった、待ってる。
そう文字を打ちかけたら、わか、くらいのとこで
まるで遮るように、言葉が画面に落ちてきて>>11 ]
 
(16) yukiyukiyuki 2021/06/17(Thu) 22:53:06

【人】 雨宮 健斗


   ─── ……っ


[ くっそ、と呟いて思わずスマホを握ったままの
腕で顔を覆った。

飾らない、剥き出しの感情は
たった四文字のくせに破壊力がある。
自分もそう言えればいい、とわかっていて、
なかなか素直になるのは照れ臭いし
勇気がいるものだ。 ]
 
(17) yukiyukiyuki 2021/06/17(Thu) 22:54:06

【人】 雨宮 健斗


   ─── ッ……この天然人タラシめ……


[ 負け惜しみを口にしながら、
情け無く熱を持つ顔で。

短い言葉を、スマホの画面がいい加減にしてくれと
言い出しそうなくらいには打っては消して、
消しては打ってを繰り返し、 ]


   うわ、


[ 最終的にやっぱり消そうと思った指が滑って、
送信ボタンを押していた。 ]
 
(18) yukiyukiyuki 2021/06/17(Thu) 22:56:25

【秘】 雨宮 健斗 → 矢川 誠壱




   『おれも』


 
(-3) yukiyukiyuki 2021/06/17(Thu) 22:56:49

【人】 雨宮 健斗


[ 焦ったけれど。
送信を取り消すようなことはしなくて。


  『待ってる』


と付け足した。

送ったあと、やっぱり少し頭を抱えた。 ]
 
(19) yukiyukiyuki 2021/06/17(Thu) 22:57:31

【人】 雨宮 健斗

***

[ サボってきたツケが回って第一志望には
縁がなく、それでもなんとか引っかかった音大に
喜んだのは俺以上に母小夜子で。

寮でいいって言ってんのに張り切って
探してきたマンション。
防音室にはグランド置かれてました。
マジかよ、過保護半端ねぇ。

ちょいちょいやってきては食事を持ってきたり
掃除をしていく母親に辟易しつつ感謝しつつ。

おかげで今日は部屋は綺麗。
タッパーに入れられたカレーを冷蔵庫から取り出して。
換気扇の下で、ようやく煙草に火をつけた。]*
 
(20) yukiyukiyuki 2021/06/17(Thu) 22:59:55

【独】 雨宮 健斗

/*
>>21 送ったら送っただけ順番についていくW既読Wに
同じ時を生きている感じがして

こういう切り取り方
視点
控えめに言って天才なんだよね
(-5) yukiyukiyuki 2021/06/18(Fri) 0:00:58

【独】 雨宮 健斗

/*
忽那さん美鶴さんいらっしゃいませ!
いつもお付き合いありがとうございます!
(-6) yukiyukiyuki 2021/06/18(Fri) 0:02:03

【人】 雨宮 健斗


[ もともとそんなに食べる方ではない、
そのことを誰よりも知っているはずの母親が
置いていく料理の数々は、確実に自分一人では
食べきれない量。

矢川くんにも、食べてもらってね。
お決まりのセリフとともにカレーのタッパーは
大きいのが二つ。

薄いグリーンのガラスの器には小さなサラダ。
ラップの下で赤いプチトマトがころんと並んでいる。]
 
(27) yukiyukiyuki 2021/06/18(Fri) 0:36:26

【人】 雨宮 健斗


[ 小さな炊飯器の限界に挑むようにセットされた米が
炊き上がりを知らせる電子音。
ピー、となるそれに見事に重なるタイミングで
部屋のチャイムが鳴った。>>23 ]


   おう。


[ ガチャ、と重い音を立てて扉を開ける。
第一声は、実はいつも少し悩むのだけれど。
結局いつもと変わらない挨拶で、
身体でドアを押さえながら右手を小さく上げて。]
 
(28) yukiyukiyuki 2021/06/18(Fri) 0:37:48

【人】 雨宮 健斗


[ 近しい距離感に長い足。
その表情を伺い見ればほわりと緊張が緩んで、
正しく笑みが湧き上がる。

彼の背後で扉が閉まれば、部屋の空気が揺れて
カレーの匂いがふわり舞った。

彼の手の荷物から、種類の違ういい香りが
細く立ち上った気がして、すん、と鼻を鳴らす。
靴を脱ぐ彼から荷物を受け取ろうと手を伸ばして
気使わなくていいのに、と告げた。

どうにも緩む表情筋に諦めて逆らうのをやめれば
己には照れた笑顔が顔中に浮かんでいるだろうか。]
 
(29) yukiyukiyuki 2021/06/18(Fri) 0:40:22

【人】 雨宮 健斗


   
   久しぶり、でもないか。


[ 自分より少し高い位置にある瞳を見て笑んで、
部屋へ促そうか。 ]**
 
(30) yukiyukiyuki 2021/06/18(Fri) 0:43:00

【秘】 矢川 誠壱 → 雨宮 健斗



[雨宮のことを離すつもりはない。]

 
(-8) ななと 2021/06/18(Fri) 9:50:18

【独】 雨宮 健斗

/*
秘話……!
秘話がっ………
(-9) yukiyukiyuki 2021/06/18(Fri) 10:37:05

【人】 雨宮 健斗


[ 一人暮らしの息子の家にちょくちょく訪れる
母親という生き物が、気になることくらい分かる。
彼女いないの?なんて。
なんでもない風を装って問いかける光景は、
別にうちだけのことじゃないはずだから。

殺風景な部屋。
もともと物に興味はない。
テーブルと、ソファと、テレビと、ベッド。
女っ気がないことに母は安堵の息を吐いている、
なんてことはあるのだろうか。 ]
 
(42) yukiyukiyuki 2021/06/18(Fri) 12:49:07

【人】 雨宮 健斗


[ いいとこのお嬢さんだった母。
何不自由なく育ち、父親と結婚して、
波乱とは無縁の人生を送ってきた彼女が
性的マイノリティな世界についてどう考えているか、
己にはわからない。

ただ数年前の事故で、変わってしまったのは
己の未来だけではないのだと気づいた自分には
母親の夢も己が奪ってしまったのではという
負い目がいつもどこかにあって。 ]
 
(43) yukiyukiyuki 2021/06/18(Fri) 12:51:12

【人】 雨宮 健斗


[ これ以上泣かせることはしたくねぇなぁとは思う。

けれど目の前でわかりやすく表情を綻ばせる
この大切な人のことだけは、
どうしたって譲る気はないから、

どうにか理解してもらえればいいなと願っている。]
 
(44) yukiyukiyuki 2021/06/18(Fri) 12:52:42

【人】 雨宮 健斗


[ スパイスの匂いが満ちる部屋に、
待ち侘びたように客人の空気が混じる。
いいにおい>>32が重なっていく。

食欲を刺激するだけのものが
不思議に胸を擽るものに質を変えていく。


だろ、と口にして受け取った紙袋の中身が
かぼちゃの煮付けだと聞けば声がちょっと跳ねた。]


   やった、俺かぼちゃ好きなんだよな。
 
(45) yukiyukiyuki 2021/06/18(Fri) 12:54:28

【人】 雨宮 健斗


[ 礼言っといてよ、と言いながら室内へ
向かおうとすれば揶揄うような声>>34 ]


   ─── ッ……!


[ んぐ、と息を呑んで、じろりと見上げる。
カウンターパンチに狼狽えながらも
動揺は隠そうと努力した。 ]
 
(46) yukiyukiyuki 2021/06/18(Fri) 12:55:49

【人】 雨宮 健斗


   ……先に会いたいっつったのは、そっち。


[ 笑って揶揄い返してやろうとしたのに、
どこか拗ねたような、不貞腐れたような声になる。
ずかずかと歩いてキッチンに立ち、
対照的な動きで紙袋をそっと置いた。 ]
 
(47) yukiyukiyuki 2021/06/18(Fri) 12:56:42

【人】 雨宮 健斗


[ ほんの二日前にあったばかりなのに、
久しぶり、なんて。
思わず口から溢れてしまったのは紛れもなく
自分なのでこの場合は仕方ない。


会いたい、どころではないのだ、と。
言えばどんな顔をするのだろう。 ]
 
(48) yukiyukiyuki 2021/06/18(Fri) 12:57:42