20:23:33

人狼物語 三日月国


153 『Override Syndrome』

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【人】 内科医 カナ



  [心療内科は誤解と偏見が蔓延している。

   人の心を分かった気になり踏みにじる人が
   患者の気持ちを遠ざけて。

   心を閉ざした患者は心療内科から逃げ惑い、
   行く宛を無くした先に待つのは………

          鉄格子に囲まれた廃材置き場閉鎖病棟



(0) 西 2022/06/14(Tue) 2:20:29

【人】 内科医 カナ



   いまに、ここから出ても、自分はやっぱり狂人、
   いや、癈人《はいじん》という刻印を
   額に打たれる事でしょう。


   人間、失格。
   もはや、自分は、完全に、人間で無くなりました。



(1) 西 2022/06/14(Tue) 2:21:22

【人】 内科医 カナ




   いいえ。



         そんな未来を辿らせないために
          W心療内科Wはここに居るの。




(2) 西 2022/06/14(Tue) 2:22:57

【秘】 内科医 カナ → 会社員 ツグアキ




         あなたは、信じてくれるかな**
(-0) 西 2022/06/14(Tue) 2:23:41

【念】 内科医 カナ



  [投げかけた声は微妙なタイムラグを経て
   私の元へと返ってくる。>>1:!2

   今日最後の患者さんが応じれば
   看護婦の子達が今日の診察受付の終わりを
   告げる看板を入口にかけ始めていた。

   おぼつかない足取りのまま焦って
   あなたが転ばないように見守った私は
   あなたが目の前に辿り着くと小さく微笑み。]


(!0) 西 2022/06/14(Tue) 2:25:57

【念】 内科医 カナ



   はい。こんにちは。>>1:!2

   来院は初めてですよね?
   緊張しなくても、大丈夫ですよ。


  [アイスブレイクをもちかけてみる。

   あの頃とは大きく異なる姿のあなたに
   微笑みかける私は、あくまで医者の顔。

   見た目に触れないのは
   ここで触れることが誰の幸せにもならないって
   そんな感じがしてならなかったからだ。



(!1) 西 2022/06/14(Tue) 2:26:54

【念】 内科医 カナ



  [診察室の中へとあなたを通せば
   どうぞと手のひらで椅子を指し示す。

   先程までの穏やかな声色は
   今になればその深刻さも伝わってくるもので。

   途端に曇っていく姿を、
   目を逸らすことなく、私は受け止めようとする。]


   
(!2) 西 2022/06/14(Tue) 2:28:34

【念】 内科医 カナ



  [悲鳴にも似た残響、ひび割れた円盤。>>0:!3
   壊れたレコードのように繰り返される挨拶が
   あなたの脳内での消化不良を物語っていた。

   けれど私があなたの異変を感じたのは
   楽園を探し求める、その指先。

   あなたが向かいそうな行く末が
   頭の中に流れ込んでくるような気さえして。]



(!3) 西 2022/06/14(Tue) 2:29:21

【秘】 内科医 カナ → 会社員 ツグアキ




         大丈夫。




(-1) 西 2022/06/14(Tue) 2:30:18

【秘】 内科医 カナ → 会社員 ツグアキ




   …ここは安全。


         あなたの努力を奪う人も
         踏みにじる人も、ここにはいないから。




(-2) 西 2022/06/14(Tue) 2:31:47

【念】 内科医 カナ



  [瞳を覗き込むようにあなたを見つめながら
   私はその頬へと手を伸ばして。

   それが叶えば、どうか落ち着くようにと
   その頬を優しく撫ぜると。]


   気持ちが沈んだ時には
   ハーブティーが良いの。

   薬に頼らなくても
   気持ちを落ち着かせられるから、ね?


  [診察室に似つかわしくないティーポッドと
   マグカップを取り出すと、診察室中に
   爽やかなミントの香りを漂わせて。

   あなたが受け取るかどうか
   ハーブティーの入ったマグカップを差し出す。]


(!4) 西 2022/06/14(Tue) 2:34:29

【念】 内科医 カナ



  [どれだけの時間を要したのか。
   決して焦らせたりすることはなく。

   あなたが椅子へと座ってくれたのなら
   私はハーブティーに口を付けて。]

   
   今も…大変そうだね。

            W佐々岡くんW


  [問診とは名ばかり。
   あの日の続きを、私から切り出して。

   先程の仕草からOverride Syndromeを疑いながら
   慎重にあなたの心の問題に触れるように。


   あの日の過去をなぞりながら、微笑ってみせた。]*


(!5) 西 2022/06/14(Tue) 2:35:14

【独】 内科医 カナ

/* >>2日本語下手くそ選手権優勝です。
(-3) 西 2022/06/14(Tue) 2:35:53

【秘】 会社員 ツグアキ → 内科医 カナ




   あなたが
    ほんとうにのぞむことは、なぁに。



 
(-4) yukiyukiyuki 2022/06/15(Wed) 0:10:54

【秘】 会社員 ツグアキ → 内科医 カナ




   嘘だね。



 
(-5) yukiyukiyuki 2022/06/15(Wed) 0:14:47

【秘】 会社員 ツグアキ → 内科医 カナ




   居るじゃないか。
     ……ほら。


 
(-6) yukiyukiyuki 2022/06/15(Wed) 0:15:16

【人】 内科医 カナ




     ───閑話:幸福の裏側───



(23) 西 2022/06/16(Thu) 0:24:31

【人】 内科医 カナ



  [当たり前のように得ていた幸福。

   望まずともレールから外れない
   安全で、楽で、不安定な人生設計。

   そこには自分の手で掴み取った幸福なんて
   何ひとつありはせず。
   誰かに依存し、施しを受けて得た幸福は
   そのW誰かWが消えれば簡単に崩れ去り
   その先に待ち受ける未来は、破滅しかない。

   結局全ておこぼれにすぎないんだって、
   いつも心の奥底で、怯えていた。]

  
(24) 西 2022/06/16(Thu) 0:26:06

【人】 内科医 カナ



  [大学時代に彼を襲った悲劇。
   その一部始終を見ていた私は今も忘れられない。

   あの出来事には、身が竦む思いだったのだから。]


(25) 西 2022/06/16(Thu) 0:26:52

【人】 内科医 カナ



  [何かの拍子に未来が変われば
   私がW佐々岡 嗣朗Wになっていたかもしれない。

   それはたらればの話であっても
   現実的に充分有り得る話。

   私は彼とも、Override Syndromeに苦しむ
   W可哀想Wな患者たちと大して変わらないのだ、と。


   私の平和は何かの拍子に簡単に壊れるものだと、
   奥底に眠る薄汚れた感情と恐怖は、
   燻り続けて消えることを知らなかった。]



(26) 西 2022/06/16(Thu) 0:28:07

【人】 内科医 カナ



  [いつからのことだろう。
   Override Syndromeに苦しむ人達を
   救おうと日々奮闘する傍らで、

   彼らを見ると酷く気分が落ち着いてしまう。


   W私はまだマシなんだ。W


         W私より不幸な人がいるんだ。W



   痩せこけた自尊心を満たすために
   私には彼らが……不幸な人達が、必要だった。]



(27) 西 2022/06/16(Thu) 0:29:37

【人】 内科医 カナ



           私には、彼が必要だった。**


(28) 西 2022/06/16(Thu) 0:31:23

【秘】 内科医 カナ → 会社員 ツグアキ




         あなたが、必要だった。**


(-7) 西 2022/06/16(Thu) 0:32:07

【念】 内科医 カナ



  ***

   ごめんなさい。
   緊張してるのかとばっかり。


  [若い医者は信用ならないという話なのか。>>!7
   いいえ、きっとそんな簡単な話でもない。

   手を振り払われればその手を引っ込めて>>!9
   それは嫌悪か、拒絶、か、それとも。


   距離感が近すぎることを素直に謝罪すると
   少しずつ彼から目線を外した。]


(!12) 西 2022/06/16(Thu) 0:33:23

【念】 内科医 カナ



  [解像が整えば整うほど明らかになる。
   あの頃をなぞっているようで、全く違う世界。
   ハーブティーとコーヒーが異なるように

   私が見ていたあなたと、あなたの知るあなたは
   全く別の存在のようで。

   花柄のティーカップは
   清涼の役割を果たすことも出来なかったみたいだ。]



(!13) 西 2022/06/16(Thu) 0:34:57

【念】 内科医 カナ



   そう。それは残念。


  [どんな形であれ、拒絶は日常的。
   この仕事をしていれば慣れたもの。

   あなたに拒絶されてしまった
   ティーカップの縁を指先でなぞると。]


   コーヒーはW心療内科ここWには
   あんまり似合わないかもね。


  [あの日約束したまま終わった事を思い出す。
   コーヒーは、心療内科としてじゃなくて
   普通の一人間として嗜みたいものだから。

   ハーブティーをテーブルの隅に置くと
   今度は問診票に目を通して、首を傾ける。]

(!14) 西 2022/06/16(Thu) 0:35:53

【念】 内科医 カナ



   そう…?ここに来たからには
   大変なんだと思ってた。

   大学の時の佐々岡くんも
   なんだか無理してそうだったから。


  [だとしても言ってはくれないだろうか。
   それとも本当に自覚がないのだろうか。

   より事態が悪化しているとすれば後者の方。
   あなたの言葉がどっち側の言葉なのか
   私としては気にならずにいられない。]


(!15) 西 2022/06/16(Thu) 0:37:45

【念】 内科医 カナ



  [私は『OS疑い有、要検診』と書かれた
   問診票をテーブルに置き直すと
   気を引き締めるようにグッと背筋を伸ばして
   それから深呼吸を済ませて。]


   ならW心療内科Wのカウンセリングは
   やめておきましょうか。

   W個人的Wにも
   あなたに聞きたいことがあるし。


  [形式張った問診の終わりを告げると
   ハーブティーを一度片付けて。

   棚に仕舞われた病室に似つかわしくない
   クッキーやチョコレートの数々を取り出すと
   最後にドリップコーヒーを見せて。]


(!16) 西 2022/06/16(Thu) 0:41:15

【念】 内科医 カナ




   こんな場所でも

        W私とあなただけナンパWなら
        コーヒーがあった方がいい?




(!17) 西 2022/06/16(Thu) 0:43:08

【念】 内科医 カナ




  [もしあなたが首を縦に振るなら
   その時は二人分のコーヒーを入れて

         あの日の続きへと誘うだろう。]**



(!18) 西 2022/06/16(Thu) 0:43:37