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人狼物語 三日月国


184 【R-18G】ヴンダーカンマーの狂馨

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視点:


碧き叡智 ヴェレスは、メモを貼った。
(a8) Saint-Exupéry 2022/11/10(Thu) 22:13:03

【独】 碧き叡智 ヴェレス

/*
狂人のみんなも人狼に投票する構図……ってコト……!?
(-10) Saint-Exupéry 2022/11/10(Thu) 22:14:50

【独】 碧き叡智 ヴェレス

/*
誤字を見つけた

しにました
(-16) Saint-Exupéry 2022/11/11(Fri) 9:09:43

【人】 碧き叡智 ヴェレス




  きっと幾度となく間違えて来たのだろう。
  発展の代償に何かを失い、知識を得て歴史を重ねる。
  地図上から永久に消えた国、
  現在では再現不可能となった資源物質、
  絶滅し伝承のみの存在と化した種。

  それでも人類が止まる事はないだろう。
  この島の成り立ちこそが呪いなのだから。


 
(32) Saint-Exupéry 2022/11/11(Fri) 9:12:21

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 

 ──── 暗夜;『学星院』一階エントランス

 [下層は既に沈黙によって支配されていた。
  贄として送り込まれた若き学者の殆どは
  自ら命を絶った痕跡を色濃く残している。
  彼等もまた『真理』を得てしまったのだろうか。]
 
(33) Saint-Exupéry 2022/11/11(Fri) 9:12:38

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 

 [込み上げる吐き気に胸を抑える。
  夥しい死と血によるものではない。

  此処までの道を急ぐ際、吹き荒れた風に掬われて
  呪布の隙間から僅かに吸い込んだ空気は
  鼻腔の奥に張り付いたように腐臭を孕んでいる。

  ポケットに隠した刃に思わず伸びた手で、
  今度は、火を灯す為の魔道具を正しく握り直す。]


   ( 此処でただ自刃したとして、
     行方不明で都合良く片付けられるのが関の山だ。
     持ち直せ、考えろ…… )


 
(34) Saint-Exupéry 2022/11/11(Fri) 9:13:16

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 

 [青い火の揺れるランタンを片手に、
  静まり返ったエントランスを進む。
  元来、学者以外の出入りが制限されている施設だが
  島の外から訪れる客人を迎える為に
  高い天井と豪奢な装飾が施されている。

  数歩も歩けばその度死体に行き着いた。
  椅子に腰掛けたまま解剖されている者、
  被検薬のオーバードーズで死に至った者、
  自らの眼球の裏側をスケッチしながら息絶えた者。
  その殆どは知の民たる地人のものだった。

  嘆き、戦き、狂い、
  終いには裏切られた事すら忘れ
  好奇心に踊らされた末路たち。

  その、微かに生温い死体を物色する。
  若い研究者ばかりでは期待は持てなかったが、
  それでも。]

 [まだ、懲りずに期待を掛けようと
  していたのかも知れない。]


 
(35) Saint-Exupéry 2022/11/11(Fri) 9:13:31

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 

 [暫く歩き回っていれば、
  この下層に何が起きたのかは察しがついた。
  当然、地位のある者の遺体だけは見付からない。

  エントランスを抜け、一つの部屋への入る。
  広いテーブルが幾つも並べられているその場所が、
  学星院の机仕事を担う場所だと推理するのは容易い。

  その一角に、写真立てを見付ける。
  目を凝らせば写っている二人のうちの、
  片方が父であると分かる。
  それは情報統制室長のものだった。]

 [写真機は自分の発明品だった筈だ。
  改良に改良を重ねて漸く今のサイズになったが、
  この写真はそれより画質も彩度も上回っている。

  誰かが技術を盗用したとしか思えない物品を前に、
  どんな反応をしていいかも分からなかった。]


 
(36) Saint-Exupéry 2022/11/11(Fri) 9:13:44

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 

 [室長の机の引き出しを開ける。
  鍵が掛かっている段は無理矢理にでも。

  少年はその中から、分厚いファイルを見つける。
  赤い帯に“実験体履歴”と書かれたそれを捲れば、
  一ページ目から自分の名前が目に入ってしまう。

  ああきっと、二十余年を人の形のまま過ごしているのは
  自分だけなのだろう。他は恐らくもう────……
  そんな考えが脳裏を過る。


  何度も追記、修正を重ねられた機密の片端に
  愛情の痕跡の一欠片でもあったのなら。

  あったのなら……どれほど。]

 
(37) Saint-Exupéry 2022/11/11(Fri) 9:13:57

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 



『  院長の決定により該当実験体を学星院内部へ移送し
  長期的かつ計画的なレッドアイス
赤い宝石
の生産を行う
  プロジェクトが進められています。
  当情報はカテゴリ4未満の職員には秘匿され…… 』

 [あの葬儀に彼女の遺体が無かったのは
   その状態が酷かったからじゃない。
    骨格だけを遺し、全て石に代わった他の誰にも見せたくない道具としての価値があったからだ。]


 
(38) Saint-Exupéry 2022/11/11(Fri) 9:14:10

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 


 [自分より優れた才能が見付かったから
  道具へと落ちぶれたのではない。

   いつまでも、誰よりも優秀だったからこそ『魔人の混血の癖に』
   学者の傲慢さが牙を剥いたのだ。

   権力者は有能かつ己には及ばない後継者を欲しがる。]


 
(39) Saint-Exupéry 2022/11/11(Fri) 9:14:25

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 







  はは…………今更、か
   彼女も苦しまずに終わって正解だった。

    何を今更、くやしがる……って、 
くそ……



         (未来なんて初めからなかった。きっとどこかで父の傲慢な権威を損なったから。
          だが手段を選ばない所まで、本当によく似ていた筈だ。僕はこの日の為に計画
          してまで母を殺した。世間の同情を得る為に。それがどうだ?こうなってしま
          っては未来的に彼女を救ったという大義名分が生まれてしまう。あんなにもつ
          らくて死にそうな思いをしたのに。心より愛していた。その上で彼女を突き落
          としたというのに何なんだこれは? 誰が僕を人間として見ている?一体誰が
          道具としてのカテゴライズを固定された僕を正しく認めてくれる? この時代
          のかみはすでにああああああああああああああああああああああああああああ



 
(40) Saint-Exupéry 2022/11/11(Fri) 9:16:32

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 

 [統制室の研究員通路から、火の一つでも投げ込んでやれば
  地下にある紙の情報は全て燃え尽きた事だろう。
  資料も、歴史も、技術も、論文も、何もかも。

  衝動的に硝子蓋を開けたランタンから、
  青白い炎を放り出す事さえ出来ずに座り込んだのは
  まだ、一抹でも、普段通りの明日を生きる人々の
  必要とするものを思い浮かべたから。

  道具である己の功績は決して記録されない。
  それどころか、発案者の名を変え
  誇りを貶められながら後世に伝わる事だろう。

  ────それでも構わない。何でもいい。
  燃えようが、残ろうが、どちらにしても。

  写真という技術がいつか一般化された時代に、
  自分が大切にして来た人々が、その子孫が、
  額縁の内側で美しく残るのなら。

  それは褒められるべき、美徳と言うべき動機でなく
  何もかも投げやりになったが故の結果。]

 
(41) Saint-Exupéry 2022/11/11(Fri) 9:17:16

【人】 碧き叡智 ヴェレス



 [自分が人間で居られたのは、
  父が気紛れに測量器を己に持たせたほんの一瞬。
  自分の半身作品を周囲に自慢したくなった、
  瞬く間に過ぎる欲望の日々だけ。

  だのに、学者として生きる道の最高点は此処でしかない。
  外の世界を知らず、思考することを止められない自分に
  他の場所で生きる手立てはない。

  それに、ここまでやったのだから。]


 
(42) Saint-Exupéry 2022/11/11(Fri) 9:17:33

【人】 碧き叡智 ヴェレス

 

 [他のページには手をつけないまま、
  閉じたファイルをそっと机の上に戻す。
  ステンドグラスが月影に浮かぶ夜、
  遠くからは狼の遠吠えが聞こえる。

  表舞台を去るべき時が来た。
  音もなく、エントランスを通り過ぎる。
  点々と、赤い靴跡を残しながら出口へと向かう。

  終わるべき場所は、此処ではないから。]**

 
(43) Saint-Exupéry 2022/11/11(Fri) 9:17:59