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人狼物語 三日月国


100 【身内RP】待宵館で月を待つ2【R18G】

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視点:


【秘】 座長 トラヴィス → 探偵 キエ


壊れることなく。
狂うことなく。

嗚呼、嗚呼。
……なんて残酷な取引。

食べられる刹那。
痛み続けた傷が、痛みが、ふっと薄れたような気がした──滲んだ感情だけを掬い取るそれは上部だけの行為であって、問題は何も解決しないのだが──もうその感覚すら、うまく認識出来ていない。

諦観。どうせ、癒えぬのだから。
それならば、悪魔でも側に居るのならば、孤独よりもよっぽど良い。
貴方の形をした、くすんだ一筋の光。
ここが深い深い闇でなければ、それを光と認識する事は無かっただろうに。


───裏切られる
絶望
を知っている男は、容易く頷いた。
食い物にされると理解しつつ、けれど、それでも、どうしても、誰も彼もが自分から離れていくのだけは堪え難かった。

「………キエ」

いつかどこかで知った、貴方と言う悪魔の名を呼ぶ。

「キエ」

頭のどこかで、それはいけないと警告の音がする。
かぶりを振ってかき消して、貴方の手に擦り寄りながら、もう一度。
(-117) osatou 2021/10/18(Mon) 8:33:24

【秘】 くるみ割り人形 トラヴィス → 探偵 キエ




……契約は、ここに正しく成立した。


壊れることも、
狂うことも、
どちらも叶わずに、こうして燻り続ける魂なのだから。
よっぽど有意義だ、と、自虐的に笑う。

「……少し眠る、
 決して離れず側に居ろ」

一先ず、今は。
とにかく瞳を閉じたかった。
(-118) osatou 2021/10/18(Mon) 8:34:04

【秘】 くるみ割り人形 トラヴィス → 浮遊想 テラ


いつかのどこか。
けれど、窓の外からは夕陽が伺える時間帯。
この夕陽すらまやかしかもしれないし、そんな曖昧な時。

貴方の手紙を読んだのか、それともたまたま用があったのか。
事実は明らかでは無いけれど、
男は確かに今、貴方の自室の扉をノックした。


……貴方はそこに居るだろうか?
(-119) osatou 2021/10/18(Mon) 8:49:58

【見】 くるみ割り人形 トラヴィス


「───嗚呼、嗚呼、そう!
  また人が消えたんだね。よくある事だ。」

かつ、かつ。
硬い靴底を鳴らして広間を歩く。
同じ円卓、同じ椅子へ腰を下ろす。

昨日と同じ今日、今日と同じ明日。
違うところがあるとすれば、
昨日はとてもとても良く眠れたことくらい。

「へえ、ハロウィンパーティ。
 粋な催しだね。君達、存分に楽しんで行くと良いさ。」

完全に他人事。
使用人を呼び付け紅茶を受け取れば、
優雅にカップへ唇を付けた。
(@0) osatou 2021/10/18(Mon) 12:38:12

【見】 くるみ割り人形 トラヴィス

>>@1 シトゥラ

「なんだ、君も混ざりたいのかい?
 彼らの宴を邪魔してはいけないよ。
 代わりに私達も何か──催しでもしようか。プルーも呼んで、何か考えてみても楽しそうだね。」

他人事。
しかして、貴方の声に喜色が混ざれば話は別。
男は、貴方達を特に好いているのだから。

「嗚呼、嗚呼。
 ありがとう、ちょうど軽食が欲しかったんだ。
 クロワッサン……君がこうした手の込んだものを作るのは珍しいね、
 パンでも焼きたい気分だったのかな?」

そこに、違和感。
男は貴方の言葉を一言一句忘れたことは無かった。
……たった今、それは過去形となったのだが。

男は何も気付かずに、言葉を続ける。

「構わないよ。
 君ならいつでも、歓迎さ。」
(@2) osatou 2021/10/18(Mon) 15:42:57

【秘】 くるみ割り人形 トラヴィス → 浮遊想 テラ


不思議なものだ、と思った。

ひとりでに開く扉。
『何も無い』が、確かにそこにある。

「……少なくとも、歓迎はされているのかな?
 だったら、遠慮なく。お邪魔するね。」

立ち入る。
扉を閉める。
誰もいないのに、誰かが居る。奇妙な感覚。

受け取った手紙だって、中身が読めた訳では無い。
ただなんとなく、第六感。それが気紛れに、たまたま働いただけ。

「………ふふ、
 まるで恥ずかしがり屋のゴーストに導かれたみたいだ。
 姿は見せてくれないのかな?
 これじゃあ私が狂った道化みたいじゃないか。」

くすくす、冗談を呟き笑う。
この部屋に椅子があるならばそこへ腰掛け、長い足を優雅に組み、見えない何かではなく──窓辺へと視線を向けるだろう。
(-168) osatou 2021/10/18(Mon) 18:38:01

【見】 くるみ割り人形 トラヴィス

>>@3 シトゥラ

「私が………、」

口を噤む。
ぼんやりと視線を泳がせ、顎に触れる。

「……ああ、そうだった。
 昨日はようやく長く眠れたから、呆然としていたらしい。
 そう機嫌を損ねないでおくれ、私の舞台人。」

つらつらと続く貴方の言葉に、苦笑。
ぱり、さく、クロワッサンを手で割き、食む。


「東洋の食べ物は、あまり口にした覚えがないのでね。
 まさか珍妙な色をしているとは思わなかったが……
 君の料理の腕は、今でも高く評価しているよ。」

(@4) osatou 2021/10/18(Mon) 19:27:56

【見】 くるみ割り人形 トラヴィス

>>@3 シトゥラ

さて。ハロウィンときたか。
貴方の様子はなんとも珍しく、どうやら本心から参加したかったらしい。
せめて何か、それらしい事は出来ないかと思案。

「……アップルボビングの用意でもさせようかな?
 君は知っているだろうか。
 林檎の実を口で取る──まあ、子供の遊びだ。」

曰く。
水を張った盤か何かに林檎を浮かべて、
ヘタに噛みついて口だけでそれを取り、数を競う……ハロウィンにはそんな余興がある。
舞台袖の自分たちには、似合いのイベント。

「カボチャは彼らが沢山使っているだろうからね。
 私達は戯れた後、アップルパイでも嗜もうじゃないか。」

まあ私はやらないが。
シトゥラとプルーが戯れる姿を見たいだけだが。
故に、貴方がノーと言えばこの企画はすぐに流される。

「……密やかに楽しみたいならば、
 私の自室でも飾り付けようか。
 君と慎ましく過ごす時間も、私は嫌いじゃあない。
 可愛らしいお誘いも貰った事だしね。」
(@5) osatou 2021/10/18(Mon) 19:29:25

【秘】 くるみ割り人形 トラヴィス → 巫女 ユピテル


「はい」

貴方のノックのすぐ後。
ゆるりと扉が開かれる。

「ああ」

貴方を頭上から爪先までを珍しげに眺めて
それから納得したように声を漏らした。


確かに昨日、拒絶を示したのに。
貴方はそれでも離れないのか。

…………眩しい。
視線を逸らすように、くるりと半回転。
貴方へ手を差し出して、室内へと誘う。
笑みを携えて、たった一歩のエスコート。

「…………仕方のない、不可抗力だね。
 部屋へどうぞ、素敵な魔女様。
 残念ながら甘い物は用意していないから、
 どうぞ仰せのままに?」
(-184) osatou 2021/10/18(Mon) 21:10:12

【秘】 くるみ割り人形 トラヴィス → 巫女 ユピテル


くす、くす。
律儀にも建前を大切にしてくれる貴方へ、『してやられた』とばつが悪そうに苦笑。

「おや、おや。それもそうだね。
 随分と優しい魔女様だ。」

貴方の手を引き、招き入れて。
貴方の視界に入るのはまずは天蓋付きのキングサイズのベッド。
全体的に洋風の調度品。それから広い机に椅子。
机上には赤と白──比較的白が多いワインボトル。

そうして、男が住んだ証が散りばめられた自室───パーソナルスペースへの侵入を許した。

「ああ、もう少しハロウィンらしい飾り付けをしておくべきだったかな?
 至らなくてすまないね。
 私達には関係のないものだと認識していたから、さ。」

貴方の手元。
見覚えのある菓子。
見覚えのない包み方。
……口をついて出るのは、日頃のように余裕たっぷりとは言い難い、疑問。


「………君は、どうして私に構うんだい。
 君に何も望まない、つまらない男だよ。
 私なんかと過ごすよりも、よっぽど有意義な時間の使い方があるだろうに。」

男は昨日貴方と会話をして、別れる前のままとは違っていた。
だからこそ出た、後ろ向きな言葉だ。
(-256) osatou 2021/10/19(Tue) 2:36:00

【秘】 くるみ割り人形 トラヴィス → 浮遊想 テラ


光の先、煌びやかな宝石へは目もくれずに
僅かに透け始めた貴方の気配へ、やっと興味を示す。
室内を──貴方が居るらしき方角を見据える。

「さあ、どうして?
 『君が望んだから』で、『私が応えたかったから』だろうね。
 意識下でも、無意識でもさ。
 君が私を望んだから、私がここに居るんだろう。
 世界はそうして、沢山の運命に彩られているのさ。」

ずっと前から、ナニカの存在はぼんやりと認識していた。
けれどそれの正体を知るのは、
を掴むような話。



「──今、やっと聞こえたよ、君。
 こうして相見えるのは初めてだ。
 私はそう、トラヴィスだ。君はテラと言うんだね。」

この舞台にとって異分子である男は、穏やかに笑った。
ファントムのような───貴方との『対話』が叶った瞬間だろうか?
(-258) osatou 2021/10/19(Tue) 3:02:24

【秘】 くるみ割り人形 トラヴィス → 巫女 ユピテル


「生きているさ、……………」

死を望むには、まだ勇気が足りないから。
そんな内情を仮面の下に押し込めて、男はやっぱり笑った。

握り返される手のひらの温度に、少しだけ安心しながら。

「はは、事実ではあるからね。
 この館に翻弄され、踠く君達のささやかな宴だ。
 干渉はするまいよ。」

堕落を受け入れてしまえば楽になれるのにね、と。
……貴方のぬくもりが頬に触れて、言葉を飲み込んだ。



それに甘えようと頭ごと擦り寄せかけて─────動きを止める。

「………キエ?」

頭だけでなく、体全てが一瞬固まった。
貴方から見ても、男が動揺したことは明らかだ。

「何もないよ。どうしたの。
 そう聞くって事は、君と彼の間に何かあったのかな?」
(-261) osatou 2021/10/19(Tue) 8:50:33
トラヴィスは、使用人に紅茶を用意させ、ミズガネまで運ばせた。
(t0) osatou 2021/10/19(Tue) 12:21:34

【秘】 くるみ割り人形 トラヴィス → 巫女 ユピテル


「──違うよ」

瞳を伏せて、かぶりを振る。
けれど貴方の手を叩き落としてまでは拒絶し切れない。

「私は停滞を望むよ。
 流れる事のない日々、
 揺さぶられる事のない感情、
 『何もない』があるんだ、ここには。
 それWがW良いんだよ、ユピテル。」

暖かな日差しに身を焼かれるくらいなら
宵闇にある、微睡むような悪夢が良い。

貴方にそれは理解されないだろうか。
……分からない。
けれど、そう簡単に意志を曲げるつもりもない。

「……何か勘違いさせてしまったんだね、傷付けられていないよ。
 その逆さ。
 彼は私を傷付ける事は無くて、
 居心地の良いものをくれたんだ。
 君が想像しているような事は何もない。
 これは間違いなく
悪魔にだって誓える
よ。」

苦しいか、否か。
その問いには、ついぞ答えなかった。

(-271) osatou 2021/10/19(Tue) 12:44:31

【秘】 くるみ割り人形 トラヴィス → 巫女 ユピテル


優しく優しく、その手を解いて──それでも離れなければ、力を込めて解く。

くるり、また身を半回転。
貴方を椅子へ促して、ティーカップの用意をしようとする。


「さ、頂こうか。紅茶で良いかな?
 砂糖ならあるけど、レモンは無いな。
 必要なら使用人を呼ぶけれど、どうしようか。」
(-272) osatou 2021/10/19(Tue) 12:45:25
トラヴィスは、使用人を手招き。部屋へキエを呼ぶように指示。
(t1) osatou 2021/10/19(Tue) 18:12:59

【見】 くるみ割り人形 トラヴィス


先程紅茶を運ばせた使用人が戻って来る。
更に伝言を頼まれたらしい。 >>16

「………そう、有難う。
 二日酔いには紅茶が効果的と聞くから
 善意のつもりではあったんだけど。
 まあ、彼は素直じゃない性格だから。」

「…………」

「じゃあ、たった今増えた、次の用なのだけど。
 
彼の客室の場所を教えてくれ。

 平気さ、私達、実は仲の良い間柄だからね。」

男は会話の間、ずっと穏やかな笑顔であった。
(@7) osatou 2021/10/19(Tue) 18:20:18

【秘】 くるみ割り人形 トラヴィス → 探偵 キエ


「────唐突だね。」

何を言い出すか。
ぱちぱち瞬きしながら貴方をシーツの海へ迎え入れ、
自身も隣へ長身を埋める。

「構わないよ。」

悪魔に何も事情を尋ねない。
くるみを割る事しか出来ない人形なのだから。

「好きに覗いて、好きに食むと良い。
 足りなければ、それ以上でも。」

男は、舞台に全てを捧げて生きて来た。
父と笑い合った記憶でも、母に抱き締められた記憶でも
彼と出会う前であるならば、簡単に手離して支障がないと言い切れる。
それが男の、死ねない、壊れられない、狂えない理由でもあった。

「深く深く、穏やかに私を眠らせてくれるのならね。
 愛しい私の天使悪魔よ。」
(-305) osatou 2021/10/19(Tue) 18:57:47

【秘】 くるみ割り人形 トラヴィス → 巫女 ユピテル


背中に触れる温もりが、痛い。
その身が? 否───心が。

「……私はね、怖いんだ。
 人と対話をすることが。信じ合うことが。
 そうしていつか、私を置いて居なくなることが。」

立ち止まる。
貴方に顔を見せぬまま、重い口を開く。

「君が私を心配する理由に、悪意がない事は分かるよ。
 WだからW怖いんだ。
 真っ直ぐな君に心を動かされそうな私が。
 そうして今の停滞に変化が現れる事が。
 いつかこの館から消えてしまうだろう君が。
 …………その全てが怖いんだ。」

一歩、また一歩と貴方から離れていく。
まだ温かいポットを手に取れば、カップを用意して席に着く。貴方に示した向かい側の椅子。

「………それでも私と対話をしたいと言うならば
 君はとても、残酷な巫女だね。」

自虐的に微笑む。
白いカップにふたつ、琥珀色を注ぎ終えれば
砂糖の小瓶を用意して、机上の真ん中に置いた。

貴方がこれに対する返答をしても、しなくても。
きっとこのお茶会は暫く続くのだろう。
(-309) osatou 2021/10/19(Tue) 19:45:31

【秘】 くるみ割り人形 トラヴィス → 浮遊想 テラ


「……………………うーん、難しいな……。」

貴方の事は『見えるだけしか見えない』し
『聞こえるだけしか聞こえない』のだ。


「嗚呼、あれがテラなんだね。
 ならば君は? 舞台上の亡者そこに居る君よ。
 まさか名乗らないなんて、不躾な事はしてくれるまい。」

そうだよね?と
少しだけ威圧的な笑みに変わる。

「地雷……そう、それはすまないね。
 けれど私は君の事を何も知らないんだ。
 その通り、今まではこんなに君を認識出来なかったしね。
 故、多少の粗相には目を瞑って貰えるだろう?」

それだけを告げて、
あとは貴方からの本題を待つだろう。
あの手紙の理由などなど───エトセトラ。

残念ながら、男は貴方をもう少し知るまでは
この部屋から出る気は一切なさそうだ。
(-314) osatou 2021/10/19(Tue) 20:21:29

【秘】 くるみ割り人形 トラヴィス → 探偵 キエ


まるで深く愛し合う恋人同士のようなそれ。
真実は、ただの獣と被捕食者なのだが。

「君、あまり派手に動いて
 消されたりなど、しないでくれよ。」

咎めるような口振りではなく、
親に縋る乳飲み子のように貴方を抱き締める。



……目が覚める頃には、きっと遥か彼方に仕舞われていた幸せな記憶が根こそぎ消えているのだろうけれど、
それで『トラヴィス』くるみ割り人形が変わる事は、一欠片も無かった。

悲しき舞台人は、穏やかである過去をも捨てて
悪魔の囁きに全てを委ね、瞳を閉じた。





────今宵もよおく、眠れそうだ。
(-322) osatou 2021/10/19(Tue) 20:45:38