[麿呂足は、テラ子安を手に掴み、巣から手を引っ込める。
大事そうに、胸元に寄せた手のひらをそっと開く。]

[それは、紛れもないU☆NN☆KOだった。
その時、麿呂足が足をかけていた蔓がブチッと音を立てて切れた。
麿呂足の体は宙に浮く。

その時、麿呂足の脳内に走馬灯が浮かぶ。

ーー
私のおじいさんがくれた初めてのキャンディ。
それはヴェルタースオリジナルで私は四歳でした。

その味は甘くてクリーミィで

こんな素晴らしいキャンディをもらえる私は
きっと特別な存在なのだと感じました。
今では私がおじいさん。
孫にあげるのはもちろんヴェルタースオリジナル。
なぜなら彼もまた特別な存在だからです。

ーー

誰の思い出？？？



[そして、麿呂足は地面に叩き潰されて死んでしまったのだった。]*

ーーカット！
[監督の声が響き、むくりと麿呂足が起き上がる。]

まろの演技、素晴らしかったであろう。

ところで、美術担当は誰じゃ！
これは本物のU☆NN☆KOじゃないか！
打ち合わせで、ゴム製の偽物を用意すると言っていたろう！！
臭う！手が臭う！