[手首の時計を見ると、珍しい。
彼が普通に待ち合わせに遅刻している。
定時退社が出来なかったのかな、と思う。

そもそも急に待ち合わせをして、遅刻するだろうと
予想しながら誘った私のせいである。
──しかしそんな事は置いておいて
彼はどんな埋め合わせをしてくれるのか楽しみだ。]


　　あぁ、漸く来たのね。
　　……あら。
　　ふふ、ごめんなさいね。そういう事で。
　　先約があったんです。

[>>0:20>>0:21ぱらぱらとやってくるナンパ男を
適当にあしらっていると、漸く彼が来た。
いつも通り……よりは少しだけ
嫉妬しているのだろうか、牽制のように手の甲にキスされた。

分かりやすくて、可愛らしい。]

　　ありがとう。
　　仕事終わりにごめんなさいね？
　　忙しかったら、断っても良かったのに。

　　それで……
　　待たせたお詫びに一体何をしてくれるのかしら。

[にこにこ、と彼の方に笑いかけて
お詫びの内容を確かめてみる。]*

　　ちょうど今から寝直そうとしてたから、
　　当たり前にスッゲー眠い。
　　……やっぱ、かわいい。


［　腕の中から抜け出しいつもは吸わない紙タバコに
　　唇を寄せる彼女のことを見ながら、
　　ゆっくりと体を起こして近づく。
　　同じ香りに包まれている彼女は
　　いつも以上に好きな人になる。　　］

　　起きちまったし、ヤらせて。
　　ミチの寝顔見てたらなんか気分上がった。


［　言ってることはとても普通と言えば普通。

　　彼女のことをなんだと思っているのかと
　　一定の人間から言われてしまいそうだが。
　　けれども、歯が浮くような回りくどく、
　　時間をかけて求めるような言葉は一切
　　思い浮かばず、彼女のことを求めてしまう。
　　
　　タバコを吸い終わっていなくても、
　　その手首に手を伸ばし、
　　吸った直後の柔らかい唇に自分の唇を重ね
　　灰が落ちないくらいで離れてみる。　　］

　　なんか、こういうのもやっぱいい。
　　

［　落ち着いて、彼女のことを見ていると
　　やっぱり好きなんだと感じる。
　　そう思うだけで満足と言えば満足。
　　彼女の手首を押さえていた手を退かし
　　吸い終わりまでを眺めていれば
　　ひとつひとつの仕草を目に焼き付けて。

　　もちろん、後始末の確認をしてから
　　彼女に改めて触るのだった。　］*

　　オレも会いたくて堪らなかったので、
　　全くもって問題ないよ。
　　でも約束の時間に間に合わなかったね。


［　苦笑いを浮かべながら謝罪を述べる。
　　遅れるつもりなどなかったのだ。

　　公私の切り替えの一環として、
　　一人称がオレに切り替わる。
　　けれど、最初らへんは他人行儀に
　　僕、なんて言っていたような気もする。

　　けれど恋人との時間がプライベートでないわけもなく
　　彼女と一緒にいるとき、いつの間にか
　　しっかりと一人称をオレに戻していた。　］

　　そうだな……この近くに新しく行くようになった
　　肉バルがあるんだけど、どうかな？
　　まずは食事から、と思って。
　　それと、夜景を見ながらお酒でもと思って
　　気に入ってるホテルをひとつ押さえたんだ。


［　バルが嫌だと言われても他にも案はある。

　　この近くなら確か、といくつか候補を考えつつ
　　約束を取り決めた後にすぐホテルへ電話をしたことを
　　ぼんやりと思い出す。
　　行きつけというか、ここ数年ずっと使っている
　　ホテルのひとつで、少しは部屋の融通をしてくれる。
　　勿論会員になっているからというのも
　　ひとつの理由だろうけれど。

　　雨が降っていなくてよかったと、
　　夜景を思い出しながら、ひしひしと感じる。　］

　　部屋はとったけど、帰らなきゃいけないなら
　　タクシー呼ぶから気にしないで。
　　……とはいっても、少しでも長くいたいんだけどね。


［　これで彼女が満足するような
　　遅れてしまったことへのお詫びになるだろうかと
　　考えてしまうが、彼女は寛容な時が多いので
　　大丈夫だろうと思っている。

　　ホテルの部屋には花束のお願いをしていて、
　　もし彼女が泊まらずに帰ることになっても
　　幾分かの手土産を渡すことはできるので、
　　深刻なまでに心配ということではないのだが
　　それでもやはり少しでもいい気分でいてほしい。　］

　　遅れてしまったお詫びになりそうかな？


［　連れ出す時に握った手。
　　今度は指を絡めて優しく握り直す。

　　笑っていた彼女につられるよう、
　　にっこりと笑みを返し、
　　歩くペースも彼女に合わせてゆっくりに。
　　今日も愛らしくて他の男を虜にする、
　　最愛の女性が隣にいることで、
　　街中の視線が向いているような気がしなくもない。
　　誰にも渡す予定は全くないのだけれども。　］　*

　　私だってちょっと眠い。
　　昨日夜更かしし過ぎたかなぁ…。

[>>2ふぁぁ、なんてあくびが漏れるぐらい。
紙のタバコを吸ってると
後ろから起きてきた彼が身体を寄せてきた。]


　　何、また？
　　元気だねぇ、優斗は。

[>>3からからと笑ってしまうけれど
ダメだとか、イヤだとかそういう否定はしない。
煙草の時にもキスをしてくるから、火には気を付けつつ
煙臭いキスをするのだ。
これにも随分と慣れたもの。

いつもする煙草の匂いが
今日は私の唇から漏れてくるから、少し感覚は違うかな。]


　　どうしたよ。
　　今日は機嫌良いじゃん？

[>>4久しぶりに彼女に会えたみたいに
喜んでそうな感じを隠さないから笑みをこぼしてしまう。
ふぅ、っと煙を堪能して
灰皿に煙草をぐりぐりと押し付けて捨てる。]

[>>5そうそう。
彼は分かりやすく一人称が変わる男の子だ。
真面目だなぁ、とも。細かいなぁ、とも。

それだけ分かりやすいから
オレ、と言ってる彼を見るとニコニコとするけど
最初はあれだけ他人行儀だったんだもんなー、とか
たまに弄ったりする。]


　　あら、お肉？お腹が空いてるのね。
　　うん。でも私も楽しみですよ。

　　急な約束だったのに、よく押さえられましたね？
　　

[>>6これだけ急に予定を捩じ込んでも
ちゃんと準備を整える辺り中々凄い人だ。
せっかくだし、ご飯が終わったら
相手の家に転がり込んでやろうかと、画策していたけど
それはまたの機会になりそうだ。]

　　ありがとうございます。
　　でも今から帰りのお話をするなんて、酷いわ？

[>>7くすくすと笑って意地悪をする。
ちゃんと帰りの事も考えてくれているのだから
優しいと言うべきなのかも知れないが、それはそれ。
少しも酷いと思ってないけど、しゅん、なんて
あからさまに顔を伏せてみた。
勿論冗談だから、直ぐに顔を明るくして]

　　ええ、100点中100点で凄いです。
　　もっと頼りないところを見せても良かったんですよ？

[>>8なんでもそうなくこなすと言うか
人当たりが良すぎると言うか。
どちらかといえば
嫉妬強めにナンパから手を引いてくれた時の方が
なかなか良かったぐらい。

随分と望みが高いなと自覚してるけど
それに応えられるとは思ってるから
気軽に彼を振り回してしまう]*