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人狼物語 三日月国


75 【身内】星仰ぎのギムナジウム【R18G】

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視点:


【秘】 『一番星』 スピカ → 受容者 ルヘナ

>>-114

「まあ、結構へこんだりもしたけど……
 いつまでもそうしてもいられないなって。
 前を向くことにしたの。
 いろんな人に支えてもらっちゃったけどね」

もちろんあなたの存在もある。

簡素な部屋だな……などと失礼なことを思いながら
勧められるまま椅子に座ると、
一番気になっていたことを切り出した。

「えーっと……セキレイさんとは仲良くやってる?
 ほら、色々変わっちゃったから、
 セキレイさんもどうなってるのか私知らないし」

そもそも誰かも知らないどころか、性別すら知らない。
でも、ルヘナとセキレイの関係は応援するべきなんだろうなと
思っている。
思い込んでいる。
(-115) serikanootto 2021/06/05(Sat) 17:27:22

【秘】 『一番星』 スピカ → 受容者 ルヘナ

>>-116

「仲良く……」

まあ、そうだとは思ったが、
そこに一抹の隙がないかなと思ってしまった自分を嫌悪した。

「まあ、ルヘナがいいならいいんだけど……
 ダメそうなら、というなら、多分……
 大人側についていくのが、
 そもそもあんまりよくないと思うわね。
 そう言われてやめるなら、そもそも突っ込んでないだろうけど」

ため息が、一つこぼれた。
いくらアフターフォローをしてもらっても、
大人のやることはやっぱり善行とは思えなかったからだ。

「……お互い難儀な身分よねぇ。
 あなたは大人側であることを捨てられないし、
 私もそんなあなたが好きだなんて。恋は盲目ってやつかしら」
(-117) serikanootto 2021/06/05(Sat) 18:09:28

【秘】 『一番星』 スピカ → 受容者 ルヘナ

>>-119
「本当ね?嫌よ、私。またあなたが『いなく』なるのは。
 まあ、今回はきっとあなたの手を取ってみせるけど」

そんなことをすればまた目をつけられるのだが、
きっと、彼女はルヘナを救えるとすれば、
いくらでもその身を投げ出す。

「そう……そうね。
 私達、きっと、何かを変えるにも、
 先に歩んでいくにも、
 まだ見えてないものが多いと思うの。
 でも、不安じゃないわ。
 前よりも色々なことを知っているし、
 人間は知識を得ながら前に歩けるんだから」

何より、あなたがいるから、という呟きは耳に入るだろうか。


二人は。似たもの同士なのかもしれない。
それでも、少なくとも、つかの間の平和が崩れるまでは。
きっと、破滅に見舞われることもない。
(-121) serikanootto 2021/06/05(Sat) 18:40:56

【秘】 『一番星』 スピカ → 受容者 ルヘナ

>>-123

「もう……みんな一番星って呼ぶわね」

でも、悪い気はしなかった。
自分の想う一番星とルヘナのいう一番星は
形は違っても、
想いを込められているのは確かだと感じられる。

「うん、大丈夫。
 周りにも星があることだって、今はわかるの。
 一人きりで輝く星じゃないんだって。
 みんなが私を支えてくれるし、
 私もみんなを支えるから。
 ……だから、私はみんなと歩んでいきたい」

でも、願うことならば。
ルヘナと連星として輝きたい。
その想いはもう告げることはないだろう。


……ギムナジウムの日常は続く。
平和な日常の中に不穏な影が混ざろうとも、
もう星が昇るのを妨げるものはない。
いつでも、星を仰げば光が見えるように、
皆で歩んでいこう。
(-124) serikanootto 2021/06/05(Sat) 19:47:10

【独】 『一番星』 スピカ

―――ある朝。

今回の騒動に関係した者が、
みな特別な事情を持っていたように、
スピカもそれを持っていた。


厨房でパンを捏ねるスピカの姿。
ああ、数日『いなかった』だけで、
こんなにもパンが恋しいなんて!

彼女にとってパンを捏ねることは
日常の象徴であり、だからこそ、
今こうしている自分に、何より安堵できる。


食堂のパンは、再び美味しくなった。
毎朝、食堂にみんな『いる』ことに安堵できるように。
いや、安堵しなくても、それが当たり前になるように。
その当たり前に、美味しいパンを添えたくて、
今日もスピカはパンを捏ねた。
(-127) serikanootto 2021/06/05(Sat) 19:59:54