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人狼物語 三日月国


167 【R18G】海辺のフチラータ【身内】

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視点:


【独】 Ninna nanna ビアンカ

>>-149

―――――
AM06:50
―――――


――男たちが何か話している。
ずきずきとした痛みはもう痛みなのかどうかもよくわからず、
ただ不可思議な電気信号として私の全身を焼いていた。

「もう死んだか?」
「生きてる。ほっときゃ死ぬだろ?」
「まあやっとくか」


おいおい。私の命だぞ。
そんな簡単に決めないで。

もう半分くらいになってしまった視界を動かす。
男たちが何かを手に、私の足を掴んで開かせていた。
まだやんのかな、と思う。
サービスはできないよ。勝手にやるなら、いいけど。

「おい、普通に」
「いや、これやったらどうなんのかって」
「どうなんだろうな」


捕まえた虫の羽をどうちぎるかみたいな会話。
まあ、今の自分の状況をもしみたら、きっととてもみっともない、潰れた蝶々みたいな有様なんだろうけど。
もういいよ、どうせ死ぬんだから。
さっさと――
(-150) gt 2022/08/29(Mon) 19:01:20

【独】 Ninna nanna ビアンカ

>>-150

ずぐ、と。
そんなことを考えていたら、さんざんに痛めつけられた下腹部に、また別の痛みが走った。

「……っ、ぁ…」

「お、動いた」
「結構入るな」


最悪。最悪。最悪最悪。
多分こいつら、悪ふざけでものを突っ込んできた。
人の身体をおもちゃにする連中は、たいてい穴に何か突っ込みたがる。
ごつごつとして硬い何か。粘膜をがりがりと傷つけながら、ええと、これは、まあ、なんでもいいけどさ──

「ばん」

「ぇ」


Si Vis Pacem, Para Bellum。平和を望むならば戦いに備えよ。


がち、と撃鉄が落ちる音がして。
どうやら私の体内で、9x19mmパラベラム弾がはじけ飛んだ。
(-151) gt 2022/08/29(Mon) 19:01:58

【独】 Ninna nanna ビアンカ

>>-151

ビアンカ・ロッカの体内で発砲された弾丸は腰骨を貫通し、脊髄を砕きながら体内を跳ねまわる。
骨に激突したことで弾頭が三つに砕け、それらが下腹部を中心に内蔵を著しく損傷させた。

「ぁ、あぁぁ、あぁ、ぁっぁあ、あ、あぁ、ぁぁあ、ぁ」


ビアンカはびくびくと痙攣するように、喉の奥から声のようなものをあげていた。
彼女の意識がその時あったかどうかは定かではない。
ただ体内で荒れ狂う銃弾が、その生命をずたずたに引き裂き、致命傷を与えたことは間違いが無かった。


「あ、……ぐぇ、ぇぼ、ぇお、……っっ」

「うわ」
「やべえ」


下腹部からの出血よりも早く。
びちゃびちゃと、その口からポンプのように鮮血が零れ落ちた。
ごとんと音がして頭部が傾いて、拘束されたままの腕と足がばたばたと跳ねて。

「……………ヴぇる、……でぇ………」


彼女の意識があったかどうかは、わからない。
多分、その場にいた誰も、意味のわからない名前をひとつ呼んで。

「……死んだな」
「すごかったな、カエルみてぇだった」
「じゃあ、書くか。書いたらバラして──…」


ビアンカ・ロッカは、死んだ。あとは、皆様の知るとおり。
(-153) gt 2022/08/29(Mon) 19:03:05