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【墓】 点燈用 トムラビ#ハノイの塔 「―― 歩き続けまス 、道なき道を 」弱者は、落ち着いた声でそう呟く。 答えの答えは求めていない、答えを求めているのは 今前に立っている者だろうから。あくまで、返答として。 「出来ない事モ、諦めた事モ、沢山ありますシ、ありましタ。 道を踏み外した事モ、一度や二度ではありませン。 それでも私ハ、生きテ、いるのでス。 道がないなラ、道のない所に踏み出せばいイ。 踏み外したなラ、這いあがればいイ。 ……ましテ、ここでの友がいるのなラ、 這いあがる時に手ぐらい貸してくれるかもしれませン」 目を瞑り、ここに来てから助けてくれた友たちを思い出す。 あなたに声をかける愛玩用に微笑みかける。 「私モ、そうありたイ。踏み出す暗闇ニ、灯を燈したイ。 一人で無理だと言うのなラ――友に頼るまデ、でス。 そうして友が困った時ハ、私が友を助けまス。 ……多分、そうやっテ、新たな道は……出来るのですヨ」 そう、静かに呟いた。 (+5) shell_memoria 2023/12/09(Sat) 23:19:13 |
【墓】 点燈用 トムラビ#ハノイの塔 「あそこまでがっちり組み合っているト、 打てるものも撃てるものもありませんねエ……」 甲高いホイッスルの音。 放たれたデータの刃に渦のように鎖を巻き付け、 背負って投げる要領でその向きを逸らす。 微かに背中が削れたが、怪我の範疇でもない。 前衛と後衛 と相手 この身体は改造されて尚不便な事ばかりだ。 「男の子って皆あんな感じなんでしょうカ。 ……理解できない半分、羨ましい半分でス」 半ばぼやくように、愛玩用の持ってきた薬を借り受ける。 刃から解いた鎖でそれを巻くと、 そのまま、遥か高空へ向けて鎖を振って、強く引く。 頭上で破裂した薬品の雨は、 掲げられた灯の光と共に回復を撒き散らしただろう。 (+7) shell_memoria 2023/12/10(Sun) 20:59:08 |